後藤真希が明かすつんく♂との“不思議な距離感” 1番の思い出は「お米食べにおいで」

国民的アイドルグループ「モーニング娘。」の中心メンバーとして活躍した後藤真希は、2021、22年と2年連続で有観客ライブを開催するなど現在も精力的に活動を続けている。02年のグループ卒業からはや20年。今だからこそ明かすことのできる“ハロプロの父”つんく♂への思いや現在までの紆余曲折を語った。

9月にカバーライブを開催する後藤真希【写真:荒川祐史】
9月にカバーライブを開催する後藤真希【写真:荒川祐史】

10年ぶりに交わしたつんく♂との“会話”「本当に連絡をまったく取っていなかった」

 国民的アイドルグループ「モーニング娘。」の中心メンバーとして活躍した後藤真希は、2021、22年と2年連続で有観客ライブを開催するなど現在も精力的に活動を続けている。02年のグループ卒業からはや20年。今だからこそ明かすことのできる“ハロプロの父”つんく♂への思いや現在までの紆余曲折を語った。(取材・文=中村彰洋)

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 今年9月には2年連続となる有観客ライブを開催する後藤。今回はカバーライブという形で往年の名曲から最新曲までバリエーション豊かな楽曲を披露する。それに先駆け、YouTubeチャンネル「ゴマキのギルド」では「歌ってみた」30曲投稿にチャレンジ。その1曲目として選んだのが、つんく♂がボーカルを務めたロックバンド「シャ乱Q」の「ズルい女」だった。

「私はずっと“つんく♂さんファミリー”でした。過去につんく♂さんの曲をライブで歌ったこともあるんですよ。なのでみなさんがすごい『エモい、エモい』言うんですよ。それもあって1曲目で歌わせていただきました」

 この話題がネットニュースになると、つんく♂は「へーええやん!」とツイート。それに対し、後藤が「つんく♂さん!もしかして聴いてくれたんですかね?!ありがとうございます」と反応し、話題となった。

 しかし、後藤とつんく♂にとってはこれが「10年ぶり以上」の“会話”だった。

「やり取りが久々すぎました(笑)。全然連絡取っていなかったので、『つんく♂さん見てくれたんだ!』みたいな。そっちにビックリしました。本当に連絡をまったく取っていなかったんです」

 モー娘。時代のつんく♂との不思議な距離感についても明かした。

「アドバイスを個人的にされることもなく、メンバーや大勢にアドバイスを投げているときにそれを聞いている、という感じでした。ライブの最終リハなどをつんく♂さんが確認するんですけど、“お客さん兼プロデューサー”の立場で見ていて、お客さんが入っていなくても、本番のように魅せなさいとアドバイスをもらいました。特に私は、そういうのが当時苦手だったので、それが印象的だったのかもしれないです。『なんでお客さんいないのに笑わなきゃいけないの?』みたいな。だからよく注意されてましたね(笑)」

 近いようで遠い存在だったつんく♂。最も印象に残るエピソードは意外な交流だった。

「1回ご自宅に呼ばれたことがありました。つんく♂さんがお米にこだわっている時期があって、『お米食べにおいで』って(笑)。『米を食べに行くの?』って不思議でしたね。おしゃれな釜で炊いたお米におかずが並んでいて、何気ないトークをしながらいただきました。他のメンバーはいなかったので、すごい印象的な出来事でした」

つんく♂との意外なエピソードを告白【写真:荒川祐史】
つんく♂との意外なエピソードを告白【写真:荒川祐史】

在籍期間はわずか3年、生まれ変わってもモー娘。に加入したい

“後藤真希=モーニング娘。”というイメージが強いが、1999年に加入し2002年にグループ卒業とわずか3年の在籍。密度の濃い時間を過ごしたグループ時代だったが、生まれ変わっても、再度モー娘。に加入したいとも告白した。

「もうちょっと真面目にやって、もうちょっと在籍していたいですね。せっかくなのでもっと楽しみたいです。大人になって、昔の自分を思い返すと、『もうちょっとちゃんとやればよかったんじゃない?』と思うところは多々あります」と苦笑いだ。

 今年で芸歴23年目を迎えた後藤だがデビュー当時から変わらぬ姿がある。

「自然体でいることは変わっていないかもしれないです。昔はしゃべる機会がそんなになくて、リーダー(中澤裕子)が説明や話をまとめてくださったり、辻(希美)&加護(亜依)がとにかく子どもらしく騒いで、矢口(真里)がツッコんだり……。そういう役割が決まっていて、グループでのトークでは、ほとんどしゃべっていなかったんですよ。発言する機会が少ない分、クールや無愛想に見られがちだったのですが、ぶっちゃけ昔から何も変わっていないんです。発言する機会がそんなになかったというだけだったので、デビュー当時から自然体でいることは変わらないですね」

 一方で、「トークが苦じゃなくなってきました」と成長も明かした。「昔は大嫌いで苦手だったんです。だけど、YouTubeのおかげもあってここ2~3年で大きく変わりました。今は楽しく昔より気楽に話せるようになりました」と実感を口にした。

 しかし、自然体でありながらも自己表現についてはいまだに苦戦するという。「苦手だからこの仕事をやっているまでもあると思います。恥ずかしがり屋で、人前だとすぐ赤面しちゃうんです。今でもたまに、急に“ボンッ”て火が燃えたみたいに恥ずかしくなったりします」と意外な一面をのぞかせた。

自然体での活動を心がけているという【写真:荒川祐史】
自然体での活動を心がけているという【写真:荒川祐史】

つねにポジティブを意識「ネガティブでいるとどんどん老けると聞いたことがある」

 アイドル時代はネットでエゴサーチをしていたというが、現在も世間の声には耳を傾けている。「どんなことをみんなつぶやいているのかは見たりします」。中には誹謗中傷や辛辣(しんらつ)な言葉も並ぶが、意に介さずだ。

「ネガティブでいるとどんどん老けると聞いたことがあるんです。だから、ポジティブでいるほうが自分のメンタルもそうですし、体調面でもいいので、ポジティブでいるようにしています。基本的には根からのポジティブですね」

 途中で休養などを挟みながらも走り続けた芸能人生。23年間でのターニングポイントとして08年のavex移籍を挙げた。当時について「1度は辞めようと思っていた」と振り返った。

「芸能活動を続けるか悩んでいたときに、松浦(勝人)さんが『やってみて、やりたくなかったらそのときやめればいいじゃん』って軽い感じだったんです。CDを出して売上枚数を気にしたり、ドラマに出て視聴率を気にしたりというのがすごい嫌だったので、『気にしなくていいなら、まぁいっか』と割り切ることができました」

 アーティスト活動を本格的に再開しているが、自身の「成長」が分かる瞬間にやりがいを感じるという。

「あと少しで37歳。いろいろ考えるとあっという間に40歳なんですよね。だから自分がいつどうなっているのかも分からない。まだ声も出るので有観客でみんなが楽しめるようなライブをとりあえずはやりたいなとは思っています。だからといってライブだけをずっとやるわけではなく、あまり無理しすぎずにナチュラルでいられるように過ごしたいです。今は、のびのび活動できています」

“自然体”な後藤真希は今後もマイペースに活動を続けていく。

□後藤真希(ごとう・まき)1985年9月23日、東京都出身。99年「モーニング娘。」3期メンバーとして加入、2002年にグループ卒業。ソロアーティストとして活動を続ける。21年11月には10年ぶり有観客ライブを開催。22年9月には東名阪にて初のカバー曲中心のライブを開催する。

○後藤真希 LIVE TOUR 2022 『歌ってみた〜Songs of You and Me!〜』
<大阪公演>
会場YES-Theater
日時2022年9月10日(土)
昼公演 開場15:00 開演15:30
夜公演 開場18:00 開演18:30
<愛知公演>
会場NAGOYA ReNY limited
日時2022年9月17日(土)
昼公演 開場15:00 開演15:30
夜公演 開場18:00 開演18:30
<東京公演>
会場恵比寿ガーデンホール
日時2022年9月23日(金・祝)
開場15:00 開演16:00

○後藤真希 バースデースペシャルイベント(仮)
<東京会場>
会場恵比寿ガーデンホール
日時2022年9月23日(金・祝)
開場19:00 開演19:30
ゲスト:藤本美貴
チケット詳細:https://avex-management.jp/artists/talent/GOMAK

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