越後はる香インタビュー 映画「暁闇」で魅せた“デジタルネイティブ世代”の青春

阿部はりか監督【写真:荒川祐史】
阿部はりか監督【写真:荒川祐史】

阿部はりか監督「あんまり笑わない子という感じ…それがよかったんです」

 一方、阿部監督は、越後の第一印象について、「宣材写真もそうだったんですけど、初めて会った日も緊張していたのか、あんまり笑わない子という感じでした。それがよかったんです。マネージャーさんは『せっかくなので写真を撮ってください』と言ってくれたんですが、すごく光っている感じがして、撮ってもいいのかと遠慮してしまうほどでした。この子がサキをやったら、いいなと直感しました」と振り返る。
 
 撮影は昨年6~7月にかけて約2週間、都内で行った。「(ファーストシーンから)もう役ができているなと思いました。できていないと思ったら、明確に言いたいことが浮かぶんですけど、あんまり浮かぶことがなかった」(阿部監督)。越後は「実際に花火大会に出かけて撮ったシーンが印象に残っています。屋台であんず飴を買う場面は(人が映り込んだり、雑音が入ることがあって)何回も撮り直しました。現場は温かい雰囲気で、脚本について休憩時間もいろいろと話しました」と語る。

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「暁闇」(C) 2018 Harika Abe/MOOSIC LAB
「暁闇」(C) 2018 Harika Abe/MOOSIC LAB

 映画は、デジタルネイティブな10代の青春劇。ネット配信されていた音楽が急に削除されたことから、その音楽のジャケットに使われていたビル屋上の給水塔に導かれるように3人が集まる。しかし、そこで友情を結ぶというわけでもなく、時間と場所をなんとなく共有する中、それぞれの心境に変化が生まれて……という展開だ。「今の中高校生っぽい話だなと思いました。私自身もケータイを取られたら、少し不安ですね」と越後。

 劇中で使われているのは、物憂げなサウンドが特徴のインディーズ覆面アーティスト「LOWPOPLTD.(ローポップリミテッド)」だが、自身がよく聴いているのは宇多田ヒカルだそう。「お母さんの影響もあって、昔から好きです」と話す。母子家庭で育ったそうで、兵庫県で暮らす母親とは大の仲良しのようだ。

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