河名マスト、MMA転向後初海外はプールサイドでミット打ち 滞在ホテルでトラブルもお構いなし

格闘家の河名マストが4日、UFC登竜門とも言われる格闘技イベント「LFA138」(日本時間6日、米国、オクラホマ州ショーニーグランドホテル・カジノ&リゾート)に出場するにあたり、試合直前の囲み取材に応じた。

囲み取材に応じた河名マスト
囲み取材に応じた河名マスト

水抜きしたくもバスタブなし

 格闘家の河名マストが4日、UFC登竜門とも言われる格闘技イベント「LFA138」(日本時間6日、米国、オクラホマ州ショーニーグランドホテル・カジノ&リゾート)に出場するにあたり、試合直前の囲み取材に応じた。

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 グレコローマンレスリングU-23世界王者の実績を引っさげてMMAの門をたたいた河名。転向から約1年という異例のスピードで世界に挑戦。イラジャ・ジョンズ(米国)と対戦する。

 レスリング時代に世界遠征を経験しているが総合格闘家として初めて踏み入れる異国の地だ。試合まであと2日「あと2キロ」を落とす予定の河名にいきなり壁が立ちはだかる。

「水抜きするのに、お風呂で半身浴しようと思ったのですが、いざホテルについてみるとバスタブがなかった。動かして体重は落とす感じ。マットスペースもなくて、ミット打ちはホテルのプールサイドでやったくらい。そういうイレギュラーなことも起きるなと思いつつ対応していかなきゃなという感じです」

 いきなりの“スクランブル”も動じることはない。「もう自分でコントロールできる部分ではないので、あきらめる(笑)。ケージに入ったらそこはもう相手と条件は一緒なので与えられた環境で、やるべきことをやるしかないのかなと思います」と前を向く。

 河名のMMA前戦は4月の「POUND STORM」。山本健斗デリカットと対戦し、被弾をしながらも徹底したレスリング攻めで判定勝ちを収めていた。あれから約3か月。成長した部分を口にした。

「前回までは自分の型というのが確立されていなくて、細い木の幹に肉付けをしていくというか、自分の幹の部分を太くしていくことに注力しました。前回の試合が終わってからひとつ自分の型というのが見えてきたので、幹も太くしながら枝を少し伸ばしている感じ。自分のレスリングコントロールとそれ以外の部分に目を向けてトレーニングできたかなと思います」

河名がコンスタントに試合をする意味

 6月には世紀の一戦「THE MATCH」が行われ、格闘技が大きな盛り上がりを見せたものの河名は冷静だった。

「『THE MATCH』があろうがなかろうが今回のLFAを見る層というのは変わらない。海外MMAを見ているファン、MMAが好きな人っていうのが今回は見て下さると思う。とはいえ自分がそこに刺さるかどうかは分からない(笑)。結局自分は自分のできることをするしかない、そこは変わらずやろうと思います」

「THE MATCH」が行われた6月にはグラップリングマッチも経験している。コンスタントに試合をする意味について問われると「どれだけ練習をしても、実際の試合での切るか切られるかって言う緊張感は試合でしか味わえない。そういう部分は試合でしか成長できない。そこを良いペースで経験できたのは良かったなと思います」と口調は熱を帯びた。

 オリンピック、世界を目標にしてきたレスリングとイチから始めたMMAへかける思いの違いにも言及した。

「レスリングって試合は絶対毎年決められた日にある。勝とうが負けようが試合はある。MMAは勝てば次の仕事、試合が決まってどんどん自分の人生が変わっていくのは良いこと。自分自身が目の当たりにして経験している。かけているものは変わらないけれど、『あの時、あの10秒を頑張れば良かった』ということはないように試合をしようと思っています」

 日本時間6日、アメリカで行われる同試合。広島県民の河名は特別な思いで試合に臨む。

「自分自身が広島の被爆3世。広島は植物が育たないと言われていた場所で命をつないできた。僕は好きなことをやっていますけれど、好きなことをできることに感謝し、それを忘れないようにしたい」

「LFA138」は6日にABEMAで生中継される予定だ。

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