「女性差別」「時代遅れ」の声も SNSで賛否の“おとう飯”キャンペーン、広報室の見解は
「内閣府による『“おとう飯”始めよう』キャンペーンなるものを見かけたのだけど、なんだろうこの違和感は。。」。内閣府男女共同参画局による、男性の家事参加を促す「“おとう飯(はん)”始めよう」キャンペーンが、ネット上で議論を呼んでいる。このキャンペーンに込められた思いとはどういったものなのか。政府広報室に聞いた。
内閣府男女共同参画局による、男性の家事参加を促すキャンペーンの一環
「内閣府による『“おとう飯”始めよう』キャンペーンなるものを見かけたのだけど、なんだろうこの違和感は。。」。内閣府男女共同参画局による、男性の家事参加を促す「“おとう飯(はん)”始めよう」キャンペーンが、ネット上で議論を呼んでいる。このキャンペーンに込められた思いとはどういったものなのか。政府広報室に聞いた。
ツイッター上で拡散した画像には、「これまで料理なんかできないと思っていたあなた、立派な料理を作らなければいけないと思っていたあなた。いいんです。“おとう飯”ならいいんです!」「簡単に、手間を掛けず、多少見た目が悪くても美味しければ、それが“おとう飯”」という「おとう飯」の定義の説明や、「おとう飯(はん)の心得」として「手早く」「簡単に」「後片付けは最後まで」などの項目とともに「おとう飯、見守っててね、おかあはん」というメッセージが並んでいる。
この投稿には「『女性は繊細で丁寧でなければならないが、男性はガサツでいい』みたいな極端さが女性差別」「『おとう飯“なら”いいんです』って言われると、おかあ飯だって許して~って言いたくなる」「料理に男も女もないし、このキャンペーン自体が時代遅れ」といった意見や「上の世代をターゲットにしてるならこれでいいんじゃないですか?」「対象の世代がどこかによっても変わってくる」といった声など、賛否両論が寄せられている。
男女共同参画局の「“おとう飯(はん)”始めよう」キャンペーンホームページでは、全国のご当地食材を使用したレシピや、「母の日」「ゴールデンウイーク」「クリスマス」「お正月」といった季節のイベントにちなんだレシピなど、数々の「おとう飯レシピ」を紹介している。
政府がこのキャンペーンに込めた思いとはどういったものなのか。政府広報室の担当者は「キャンペーンが始まったのは2017年。2015年の『第4次男女共同参画基本計画』で、男性の家事・育児関連時間が欧米諸国と比べて短い状況にあり、家事や育児等に対する知識等の不足と男女間のギャップを埋める一環として始まりました。子育て世代に向けてのものだったと聞いています」と回答。
男女共同参画基本計画は5年に1度閣議決定されており、2020年2月の第5次男女共同参画基本計画では男性の家事・育児関連時間に関する項目は優先事項からは削られているとし、「キャンペーンが始まった当初は各所とのタイアップ等でさまざまな反響もありましたが、現在はホームページ上に残している程度で、積極的に発信しているというものではありません」と話した。
時代の変化や世代ごとでも、家事や育児に関する見方は異なるもの。キャンペーン開始から5年余りが過ぎ、「おとう飯」があらためて名づけるほど特別なものではなくなっているということなのかもしれない。