頚髄損傷の大ケガ、病床で闘う大谷晋二郎 ファンが願う50歳になった“炎の戦士”の復活

待っているぞ! 7月21日、50歳の誕生日を迎えた“炎の戦士”大谷晋二郎に多くのエールが送られている。各選手、関係者そしてファンがSNSなどで「おめでとう」と同時に「復帰の日を楽しみにしています」など、メッセージを寄せている。

トンガリコーンズの盟友、金本浩二(中)高岩竜一(右)と最高の笑顔の大谷晋二郎【写真:柴田惣一】
トンガリコーンズの盟友、金本浩二(中)高岩竜一(右)と最高の笑顔の大谷晋二郎【写真:柴田惣一】

「ZERO1・20周年&21周年記念大会」で負った大ケガ

 待っているぞ! 7月21日、50歳の誕生日を迎えた“炎の戦士”大谷晋二郎に多くのエールが送られている。各選手、関係者そしてファンがSNSなどで「おめでとう」と同時に「復帰の日を楽しみにしています」など、メッセージを寄せている。

 新日本プロレス在籍時に、ともに黄金のジュニア時代を築き上げたトンガリコーンズの盟友・金本浩二は「大谷~おまえは愛されてるな」とツイッターに投稿。先輩、同期、後輩そしてファン……万人に応援されている大谷に、改めて励ましの声を届けた。

 トンガリコーンズ時代はもちろん、ZERO1でも共闘した高岩竜一は、自身のデビュー30周年記念試合に臨んだFREEEDOMS7・21東京・新木場大会で、リング上から大谷の誕生日を祝福している。

 タッグマッチで対戦した佐々木貴を雪崩式デスバレーボムで仕留め、マイクを取ると「今日、盟友・大谷晋二郎の誕生日です。大谷、誕生日おめでとうございます」と病床の大谷に向かってアピールした。会場のファンも大拍手で思いが同じであることを示した。

 50歳といえば大きな節目。孔子は論語に「十有五にして学を志す」に始まり「三十にして立つ」「四十にして惑わず」「五十にして天命を知る」「六十にして耳順う」と記している。

「天命を知る」50歳は、文字通りの人生の節目だが、昨年、コロナ対策を講じ少人数で酒席を共にしたときの大谷を思い出した。年齢が話題となり、大谷は「僕も来年、50になる。デビュー30周年でもある。いろいろとやりたいことがあるけど、どうなるかな」と、ニコニコしていたことを思い出した。

 円熟期に突入したプロレスラー・大谷として、プロレスを通じていじめ撲滅など青少年の育成に取り組む活動家・大谷として、私生活でも夫として父として……それこそやりたいことは山ほどあったはず。

「アレもコレも」とさまざまなプランを頬を朱に染めながら明かす大谷の顔は、いつも以上に輝いていたものだ。

 ここまでの人生は決して平たんな道のりではなかったはず。新日本プロレスを離れ、2001年、旗揚げに加わったZERO-ONEは、幾度ものピンチに襲われた。何とか乗り越え、現在はZERO1として活動しているが、大谷は橋本真也さん亡きあと、苦労の道であることを承知の上で、旗頭となってきた。

 我々が想像もできない苦難を味わってきたはず。何度もくじけそうになっただろう。それでも旗揚げ20周年興行を目指して踏ん張ってきた。

 コロナ禍で1年、延期された「ZERO1・20周年&21周年記念大会」(4月10日、東京・両国国技館大会)で、大谷は頚髄損傷の大ケガを負ってしまった。50歳を目前にしてのアクシデントは、さぞや無念だったろう。

 現在も意識はしっかりしているようだが、まだまだ厳しい状況にあるという。応援募金活動には、多くの皆さんが協力してくれている。

 好漢・大谷の回復そしてリング復帰を願うしかない。LINEに「お誕生日おめでとうございます。ご回復を願っております」と書き込んだ。以前なら「熱いメッセージありがとうございます!」と、いつも早々に返事をくれたが、今回は既読もつかない。

「僕はプロレスが大好きなのですよ。だからプロレスの話をするのが楽しい。大変なことも多いけどプロレスラーになって本当に良かったと思っている」と、熱かった大谷。また、飲もうよ。トークバトルを楽しもうよ。

 プロレスの教科書に書いてあるに違いない。「何度倒れても、大谷晋二郎は復活する」と。その日をみんな待っている。

次のページへ (2/2) 【写真】リング上ではひたすら厳しい大谷晋二郎
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