藤井フミヤ、還暦ライブを終えて全国のファンにメッセージ「本当に自分は幸せ者だなあと」

7月11日に60歳の誕生日を迎えた歌手の藤井フミヤが、日本武道館で記念ライブ「FUMIYA FUJII 60th BIRTHDAY RED PARTY」を開催。赤一色に染まった1万4000人の大観衆を前に2時間を超える盛大なパーティーが繰り広げられた。あらためて記念すべき一夜を振り返りながら、終演後に届けられた本人のコメントも紹介する。

藤井フミヤ【写真:三浦憲治 / チームライトサム】
藤井フミヤ【写真:三浦憲治 / チームライトサム】

「FUMIYA FUJII 60th BIRTHDAY RED PARTY」を日本武道館で開催

 7月11日に60歳の誕生日を迎えた歌手の藤井フミヤが、日本武道館で記念ライブ「FUMIYA FUJII 60th BIRTHDAY RED PARTY」を開催。赤一色に染まった1万4000人の大観衆を前に2時間を超える盛大なパーティーが繰り広げられた。あらためて記念すべき一夜を振り返りながら、終演後に届けられた本人のコメントも紹介する。(取材・文=福嶋剛)

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 フミヤの60歳をお祝いしようとファンは赤いTシャツで統一し、観客席は360度、赤一色に染まった。予定時刻を少し過ぎて客電が落ちる。すると観客は一斉に立ち上がり、まぶしい光に照らされたステージ中央に真っ赤なタキシードを着たフミヤが登場した。

 1曲目は2002年のセルフカバーアルバム「Re Take」バージョンによるアップテンポな「TRUE LOVE」からスタート。観客も声を出せない分、大きな手拍子でリズムを刻む。そのまま「MY STAR」(01年)、「SWEET GARDEN」(04年)とダンサブルなナンバーが続き、フミヤも会場を一周しながら歌う。

「イエーイ! ようこそ武道館へ! ご存知かと思いますが今日が誕生日で60歳。還暦ということでみなさんも赤を着てもらって。まるで大きなチゲ鍋みたいな。そんな私もカズレーザーみたいで」。会場から笑い声がもれる。

「幼少の頃はお袋が忙しくてなかなか誕生会とかやってもらえなかったんですけど、還暦になった今、これだけの人に祝っていただいて。人生何が起こるか分からない。ありがたいものです。還暦ということで昭和の老体にムチ打って今日は最後まで頑張りますんで、みなさんも楽しんで帰ってください」。そう話すと「タイムマシーン」(95年)、「GIRIGIRIナイト」(16年)、「I・N・G」(99年)と今度はロックナンバーを披露。

 場内を見渡しながら「すごい赤いよ」とつぶやくフミヤ。続けて「60年は振り返ればあっという間で、年々時の流れが加速している気がします。50代なんて本当にあっという間でしたよ。未来より過去の方が長くなった。そんな年齢になってきましたけど、でも今みなさんと武道館にいれるというのは、これはさすがに私の人生の記憶の中に残ると思います。私が還暦ということは、みなさんもそれなりに年齢がいってると思いますので座れるようなセットも用意してます(笑)」。

 ここからスローなナンバーを続ける。「わらの犬」(98年)の次に歌ったのは、6月にリリースしたばかりの最新ナンバー「水色と空色」。それぞれの色に人間模様が映し出されるような歌に合わせて、ステージ上のスクリーンには水と空の映像が流れる。続いて代表曲「Another Orion」(96年)、「DO NOT」(97年)を歌い終えると暗転し、フミヤは衣装を着替えにステージを降りた。

 すると交代するように赤いシャツに青いチェックのジャケットを着た藤井尚之がテナーサックスを持って登場。尚之が作曲したチェッカーズのインストナンバー「FINAL LAP」(92年)を披露する。演奏が終わると赤いチェックのジャケットに着替えたフミヤが登場し、チェッカーズのオンパレードがスタート。まずは「ギザギザハートの子守唄」(83年)、「ジュリアに傷心」(84年)を披露。

 今も声を出せない観客だが、息ぴったり振り付けを楽しみながら、あの頃に自然と戻っている様子に見えてくる。またステージ上のフミヤと尚之もチェッカーズを演奏している時はあの頃に戻ったような、そんな解き放たれた表情も感じた。

赤一色に染まった日本武道館【写真:三浦憲治 / チームライトサム】
赤一色に染まった日本武道館【写真:三浦憲治 / チームライトサム】

歌えるところまで歌っていきます

 フミヤは当時を振り返った。「初めてバンドを組んだのは中学校1年生の12歳のときで貯金をはたいてエレキギターを買ったんですけど、そこからバンド人生が始まって高校2年の夏、17歳のときにチェッカーズを結成しました。1年後ぐらいに尚之がメンバーになって、デビューしたのが21の頃。尚之が華の18歳未成年だったね。あんなスーパーアイドルになるなんて思ってもいなかったんですが、10年活動をして、ここ武道館で解散コンサートをやって。それが約30年前の話です。みんな……大人になったよね(笑)。次の曲はチェッカーズがスーパーアイドルの頂点ぐらいのときの歌です」。

 イントロが流れた瞬間に大きな拍手が起こると「あの娘とスキャンダル」(85年)がスタート。続けて「星屑のステージ」(84年)、「夜明けのブレス」(90年)と続いた。

「とうとう俺の誕生日の『RED PARTY』でもマスクは外せなかったね。でも今日(開催)できてよかったです」と話すと大きな拍手が。最後に「WE ARE ミーハー」(19年)、「Stay with me.」(00年)、「UPSIDE DOWN」(01年)、「恋の気圧」(99年)とアップテンポなナンバーを畳み掛けて本編が終了。

 アンコールの拍手の中で赤いTシャツに着替えたフミヤが登場。ファンもお揃いのTシャツを着て赤一色となった会場をあらためて見渡し、「ありえないな、これ」と驚いた様子。「人生ってどうなるか分かりませんね。60歳で武道館の真ん中で歌ってますから」。そう話し、アンコール1曲目の「ALIVE」(97年)を演奏。歌い終わって「こうなったら古希の時もパーティーやります!」と宣言。「座って歌っているかもしれないけれど、歌えるところまで歌っていきます」とファンに誓った。

 アンコール2曲目の「友よ」(2015年)では親友の木梨憲武とヒロミがステージに登場し3人で歌うと、サプライズで水谷豊も祝福に駆けつけ、フミヤに赤いちゃんちゃんこを着せるなど会場は大盛り上がりとなった。

 アンコール3曲目は「紙飛行機」(95年)。フミヤの合図と共に1万4000人分の赤色の紙飛行機が放たれた。

「ずっとまだまだ追い求めていくと思うんで、まだまだ未完成な藤井フミヤですが、未完成なまま死んでいきたいです。なぜなら最後まで夢を追っていたってことになるんでね。また一緒に遊ぼうぜ!」。最後に新曲「未完成タワー」を歌い、豪華な時間が幕を閉じた。拍手が鳴りやまない武道館で、フミヤは何度も大きく手を振ってステージを後にした。

 記念すべき一夜を終えたフミヤは武道館に集まった1万4000人の観客と中継を見て応援してくれた全国のファンに次のようなメッセージを届けてくれた。

「あれほど真っ赤な武道館は前代未聞でした。

 全国の私のファンの決起集会みたいなコンサートでしたが、本当に自分は幸せ者だなあと。

 まだまだコロナ禍で観客の歓声がなかったことが残念でした。

 あれだけ派手なコンサートをこの年齢でやれたことが、これまでの自分の集大成だと思います」

□藤井フミヤ 1962年7月11日、福岡県生まれ。83年、チェッカーズとしてデビュー。93年以降、ソロアーティストとして活動。ミリオンセラーとなった「TRUE LOVE」や「Another Orion」などは、幅広い世代から長く親しまれ続けている。2022年6月、新曲「水色と空色」、「未完成タワー」リリース。

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