「雪女と蟹を食う」で重岡大毅とラブシーン ヒロイン・入山法子が明かす本音と舞台裏

ジャニーズWESTの重岡大毅が主演を務めるテレビ東京のドラマ24「雪女と蟹を食う」(毎週金曜・深夜0時12分)の放送がスタートした。新進気鋭の漫画家・Gino0808の同名コミックを原作に、冤罪により人生が狂い自殺を決意した男と、雪女を彷彿(ほうふつ)とさせる謎多きセレブ妻(入山法子)の二人旅を描くもの。Netflix「全裸監督」(2019年)や日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「ミッドナイトスワン」(20年)の内田英治氏が監督した。ヒロインの入山法子(36)がその舞台ウラを語る。

「雪女と蟹を食う」で謎多き女性、雪枝彩女役を演じる入山法子【写真:舛元清香】
「雪女と蟹を食う」で謎多き女性、雪枝彩女役を演じる入山法子【写真:舛元清香】

入山法子インタビュー、注目作で謎多きセレブ妻役「悩んで眠れない日もありました」

 ジャニーズWESTの重岡大毅が主演を務めるテレビ東京のドラマ24「雪女と蟹を食う」(毎週金曜・深夜0時12分)の放送がスタートした。新進気鋭の漫画家・Gino0808の同名コミックを原作に、冤罪により人生が狂い自殺を決意した男と、雪女を彷彿(ほうふつ)とさせる謎多きセレブ妻(入山法子)の二人旅を描くもの。Netflix「全裸監督」(2019年)や日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「ミッドナイトスワン」(20年)の内田英治氏が監督した。ヒロインの入山法子(36)がその舞台ウラを語る。(取材・文=平辻哲也)

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 入山が演じるのは、主人公の北が強盗に押し入った先のセレブ妻・雪枝彩女(ゆきえだ・あやめ)。「死ぬ前に北海道で蟹を食べるために強盗に入った」との事情を聴くと、「いいですね、蟹。私も一緒に北海道に行きたい」とまさかの反応。東京から北海道へ、性欲と食欲の限りを尽くす二人旅が始まっていく……。

「原作を読んだ第一印象は男性が思い描く、いい女を具現化しているような印象があったんですけど、原作のリスペクトをしつつ、ドラマにしかない彩女を、生身の人間として彼女の思いを背負って、演じきりたいと思いました」

 彩女は本心を隠すミステリアスな女性。その人物像には難しさもあったという。「お芝居は、相手の言葉を受けてするものですが、それを表現しないというのは、エンジンをかけながらも、常にアイドリングストップ状態。最初はどう演じればいいのか、悩んで眠れない日もありましたね」と振り返る。

 しかし、撮影が進むにつれ、その考えを改めた。「自分の声や体を使って表現するのだから、まずは彩女のことを好きになろう。合っているのか、合っていないのかを考えてもきりがない。できる限りのことをやって、後は監督に微調整していただきました。すると、ふと彩女が近くにいるような感じになる時間がだんだん増えていきました。そのうち、内田監督から『役が入っていることはいいことなんだけど、ホテルに戻ったら自分に戻ってください』と言われました。まだ何週間か撮影があったので、ある意味力が抜けたというか、一体となったんだなと思いました」。

 入山自身は男性に頼り切っているような女性ではない。どこに共感ポイントがあったのか。「最初はなかなか共感できなかったんですね。ただ、自分の思いを貫き通そうとするところは似ているのかな。はかなげに見えて、実は強くて熱い。そんなところでしょうか」と話す。

 主人公の北については「そんなことにならなければと思いますけど、彩女と出会えたことで、もう少し生きてみようと思ったのかな。そう思うと、北を応援したい気持ちです」。

劇中多く登場するラブシーンにも「恥ずかしいと思ったことはない」と言い切る【写真:舛元清香】
劇中多く登場するラブシーンにも「恥ずかしいと思ったことはない」と言い切る【写真:舛元清香】

「食べることと性的な欲求は生きることに直結していて、表裏一体」

 主演の重岡とは初共演だ。「以前、ジャニーズWESTの濵田崇裕さんの舞台(『歌喜劇/市場三郎~温泉宿の恋』)でご一緒させていただいて、その後、ライブにも誘っていただいたんです。アイドルをしている重岡さんはまっすぐで裏表のない方だろうという印象でしたが、実際共演してみても、そのままの方だなっていう印象です」と笑う。

 ドラマは原作同様、ラブシーンも多いが、「食べることと性的な欲求は生きることに直結していて、表裏一体。その時々の感情をそのまま表したいというのは、監督、他のスタッフさんにもあって、互いの思いをぶつけたり、消化しようと演じました。恥ずかしいという気持ちは作品に対しても、お相手にも失礼なので、思ったことはないです」と明かす。

 役をつかむことには苦労したが、日光、会津若松、青森、函館、札幌を旅してのロケは楽しかったという。「実際に土地の空気を感じながらの撮影はとてもぜいたくなことで、お芝居する上ではとてもありがたいことでした」。ご当地のグルメも堪能したそうで、特に美味しかったものは? と聞くと、「北海道のホタテですね…そこはカニと答えるところでしたね(笑)。カニもおいしくて、無心でほじって食べました。会津若松の馬刺しもおいしかったですね」

 ロケ地で印象に残っているのはどこか。

「その土地土地で、奇麗な風景を見たり、おいしいものを食べさせていただいたりして、もちろん北海道もたくさん思い出があるんですけど、今一番、思い浮かぶのは栃木県の中禅寺湖でしょうか。ああ、旅が始まるんだと、景色的にも心情的にも印象的に残っています」。

 ドラマは生と死が大きなテーマ。「私は死にたいと思ったことは1度もないです。何か悪いことが身に起こっても、すぐに忘れられる。うまくできていますね」と語る。自身の見どころについては「彼女も一人の人間、同じ女性だったんだなと思っていただければ。入山が出ているから、ちょっと見てみようかなと思えるような演者になりたいなと思っています」と話した。

□入山法子(いりやま・のりこ)1985年8月1日、埼玉県出身。2006年、日本テレビ系ドラマ「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」で本格的に女優デビュー。08年、映画デビュー。主な映画は「ハッピーフライト」「SP 野望篇・革命篇」「となりの怪物くん」など様々な作品に出演。11年、フジテレビ「霧に棲む悪魔」でドラマ初主演。「ハナばあちゃん!! わたしのヤマノカミサマ」で映画初主演。22年初冬にはヒロインを務める「天上の花」の公開を控える。

次のページへ (2/2) 【写真】入山法子が公開したドラマのメインビジュアル
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