俳優の井浦新が8日、都内で行われた映画「こちらあみ子」（7月8日公開）公開初日舞台あいさつに登壇した。当日は共演者の尾野真千子も登壇し、同作をアピールした。

　イベントでは登壇予定だった主人公のあみ子を演じた子役の大沢一菜が新型コロナウイルス陽性となったため欠席。大沢の魅力について井浦は「あみ子そのものです。野生感がすごい好きです。現場ではあみ子がカメラの前でもそうでなくてもあみ子でいるんですよ。彼女がいると現場がぐっと明るくなって、眠くてもエンジンがかかっちゃう。本当、その場の空気を一気にあみ子化してくれる。それは彼女が作ってやっているものではなく、持っているもの。衣装合わせのときから、そのときからただものではないあみ子が生まれてしまっていました」と絶賛した。

　MCから「井浦さんはどんな子ども時代を過ごされましたか」と聞かれて、井浦は「僕は山猿のような子どもでしたね。東京の山の方で生まれ育ったので、遊び場は常に山の中という感じでしたね。木を見たら登りたくなる。そういう感じでした。『うっきー』ってやってました」とはにかむように話すと、尾野は「ええ、意外」と驚きの表情を浮かべていた。

　今回、初共演となる尾野について井浦は「この作品でご一緒できてよかったなと思います。尾野さんとは親近感を感じていました。デビューも近くて、2人とも突然映画の世界に放り込まれている。なので、いつか共演ができたらと思っていました。いろんな作品を拝見しているなかで、尾野さんと向き合って芝居をするときは、こっちも心していかないと、弾き飛ばされるだろうなという印象を持っていました」と語りつつ、「森井組で実際、共演してみるとなんて優しい柔らかい女性なんだろうと思いました。終始笑顔でお話をさせてもらってましたし、この作品でよかったなと思いました。今度は全く違うことがやれたらなという気持ちも増しました」と心境を明かしていた。

　同作は今村夏子の同名小説が原作。主人公は、広島に暮らす小学5年生のあみ子（大沢）。少し風変わりな彼女のあまりに純粋な行動が、家族や同級生など周囲の人たちを否応なく変えていく過程を鮮やかに描き出す。