谷村新司、更生保護施設で受けた衝撃とは 炊き出しでの心温まるエピソードも披露

歌手の谷村新司が1日、東京・法務省で行われた「第72回 社会を明るくする運動キックオフイベント ~#生きづらさを生きていく。」に登場し、薬物依存症リハビリテーションセンターNPO岐阜ダルクの遠山香施設長、津島淳法務副大臣らとトークセッションを実施した。

「第72回 社会を明るくする運動キックオフイベント ~#生きづらさを生きていく。」に登壇した谷村新司【写真:ENCOUNT編集部】
「第72回 社会を明るくする運動キックオフイベント ~#生きづらさを生きていく。」に登壇した谷村新司【写真:ENCOUNT編集部】

谷村「当事者でもあった人でないと、相手の気持ちはわからない」

 歌手の谷村新司が1日、東京・法務省で行われた「第72回 社会を明るくする運動キックオフイベント ~#生きづらさを生きていく。」に登場し、薬物依存症リハビリテーションセンターNPO岐阜ダルクの遠山香施設長、津島淳法務副大臣らとトークセッションを実施した。

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 元薬物依存症でもあった遠山施設長の話を聞いて、谷村は「どの時代もきっと同じような悩みがあったのだろうと思う。世界情勢はより敏感になっている。当事者でもあった人でないと、相手の気持ちはわからない。そのポイントは大きいと思います」と感想を述べた。

 また、社会を明るくする運動フラッグアーティストでもある谷村は、更生保護施設など日本各地の更生に励む人たちやそれを支える更生保護ボランティアのもとを訪れ、直接エールを送る活動を展開している。谷村は「最初にお伺いしたのが八王子の少年院、職員の人たちが24時間、彼らのことを気にかけて面倒を見て、時には叱咤激励していた。そのエネルギーに驚いたんですね。そんな風にできる人がいることに衝撃を受けました」と振り返り、「そういった先生方を応援することが、間接的に当事者を応援することになると思っています」と心境を明かしていた。

 また、谷村は「過去に、元気なお母さんたちが炊き出しで子どもたちにご飯をつくるということをやっているところがありまして、そちらに伺ったんです。そのお母さんがおっしゃっていたのは、最初、子どもたちはあいさつがなにもできなかったそうです。皆無言だった。でも、『行ってらっしゃい』と言い続けると、子どもたちは『行ってきます』と言い始める。そのときにとてもうれしいと思ったそうなんです」とエピソードを語っていた。

 最後に谷村は「昔は家に縁側があった。縁側に座って、外から入ってきた人も座って、縁側でお茶を飲みながらしゃべれる。そこで何かが始まっていく。そんな場所がダルクのようなところだと思うんです。居場所としての縁側作りをしてくださっていると思うんですね、そういった心の縁側作りがなんとなく広がっていけばいいなと、今日改めて感じました」と感想を述べた。

 社会を明るくする運動は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な運動。今回で72回目を迎えた。

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