「ベイビー・ブローカー」是枝監督、理想通りすぎるキャスティングに「すみません」

映画監督の是枝裕和が26日、都内で行われた映画「ベイビー・ブローカー」(24日公開)来日記念舞台あいさつに登場した。当日は主演のソン・ガンホほか、カン・ドンウォン、イ・ジウン、イ・ジュヨンなど韓国人キャストも登壇し、キャスティングのエピソードなどを語った。

舞台あいさつに登場した是枝裕和監督【写真:ENCOUNT編集部】
舞台あいさつに登場した是枝裕和監督【写真:ENCOUNT編集部】

是枝ファンのイ・ジウン、食堂で偶然会ったにもかかわらずスルー

 映画監督の是枝裕和が26日、都内で行われた映画「ベイビー・ブローカー」(24日公開)来日記念舞台あいさつに登場した。当日は主演のソン・ガンホほか、カン・ドンウォン、イ・ジウン、イ・ジュヨンなど韓国人キャストも登壇し、キャスティングのエピソードなどを語った。

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 MCから「監督はソン・ガンホさんとお仕事をされたいとおっしゃっていたそうですが、どんな思いでオファーされたのでしょうか」と聞かれると、是枝監督は「映画の中でソンさんが初登場するシーンを思いついて、そこから書いたんですよね。そのときはA4で3、4枚のショートストーリーだったんですけど、6年前のプロットにはソンさん、カン・ドンウォンさんとペ・ドゥナさんは書いていたので、本当に夢がかなったんです」と振り返った。

 また、是枝監督は「ソンさんやカン・ドンウォンさんとペ・ドゥナはそれまでに縁があったので当て書きしたんですけれども、イ・ジウンさんは、コロナ禍で僕が家で韓国ドラマにハマりまして、そこで見て印象に残ったんでお声がけをしたんです。昔からのファンには申し訳ない、にわかファンなんですけど。韓国に渡ってオファーをして、夢がかなって、本当にありがとうございますという感じなんですけど。僕が幸せだったんですね。理想通りの思い描いたようなキャスティングができました。すみませんでした。ありがとうございました」と笑いながら頭を下げていた。

 イ・ジウンは「監督さんは私の作品をご覧になったとおっしゃっていただきましたが、多分、その作品をご覧になる前に、偶然韓国の食堂で、監督を見かけたことがあるんですね。そのとき私は監督のファンでして、ごあいさつしたいなと思ったのですが、することができずにそのまま通り過ぎました。ですが、その後、こうやって是枝監督の作品に出演できて光栄です」と語った。是枝監督は「そうなんだよね」と苦笑いを浮かべていた。

 同作のキーワードは、自らの手で育てられなくなったために乳児を匿名で預けることができる“赤ちゃんポスト”。赤ちゃんポストに預けられた乳児を横流しし、マージンを得るベイビー・ブローカーのサンヒョン(ソン・ガンホ)とドンス(カン・ドンウォン)は、ひょんなことから、若い女ソヨン(イ・ジウン)が“赤ちゃんポスト”に預けた乳児の養父母探しの旅に出ることとなる。同作は、第75回カンヌ国際映画祭で主演のソン・ガンホが韓国人俳優初となる「最優秀男優賞」を受賞。「エキュメニカル審査員賞」も受賞し、合わせて2冠の快挙を成し遂げた。

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