選挙カーの騒音、“身バレ”のリスクも 現職議員が注意喚起「こうした配慮も投票材料に」
第26回参院選(7月10日投開票)が始まり、各地で候補者たちの熱い戦いが繰り広げられている。選挙期間中、度々議論となるのが選挙カーによる騒音問題。「うるさい」「迷惑」といったものや「意味ない」「逆効果」といった声もあるが、コロナ禍に伴うリモートワークやネット配信の増加で問題となっているのが“身バレ”のリスクだ。選挙カーで住所が特定されることはあるのか、専門家に聞いた。
「うるさい」「意味ない」の声に加え、コロナ禍で新たな懸念が浮上
第26回参院選(7月10日投開票)が始まり、各地で候補者たちの熱い戦いが繰り広げられている。選挙期間中、度々議論となるのが選挙カーによる騒音問題。「うるさい」「迷惑」といったものや「意味ない」「逆効果」といった声もあるが、コロナ禍に伴うリモートワークやネット配信の増加で問題となっているのが“身バレ”のリスクだ。選挙カーで住所が特定されることはあるのか、専門家に聞いた。
「本日から7月9日まで参議院議員選挙が行われます。特に注意なのが選挙カー。vtuber、youtuber、リモート会議他、ご注意ください! 音が入ったり、住所がバレたり 使用するにしても住民生活、時間帯、学校病院式場の近くなど配慮は欲しいですよね。7月10日が投票日。皆さん、こうした配慮も投票材料に!」
東京・大田区議会議員のおぎの稔氏は参院選が公示された22日、自身のツイッターアカウントに選挙カーによる身バレのリスクを投稿。「【配信、リモート、宅録等される方への注意点】選挙カーはいきなりやって来て、あなたの住まいをバラします。」と注意喚起を呼びかけた。
選挙の度に話題となる選挙カーでの連呼行為。過去には「せっかく寝かしつけた子どもを起こされた」「近所迷惑な街宣する候補には絶対に投票しない」など、騒音被害や逆効果を訴える投稿が毎回のように話題となっている。コロナ禍ではこれに加え、「リモート会議の邪魔」「選挙カーの音で住んでる地域や住所が特定されそう」といった新たな懸念も高まっている。
選挙カーの放送で身バレが起こることはあり得るのか。ネット炎上や情報リテラシーに詳しく、「ネットで勝つ情報リテラシー」「11歳からの正しく怖がるインターネット」などの著書がある小木曽健氏は「選挙カーに限った話ではないが、注意喚起の対象にはなります」とそのリスクを指摘する。
「一般の方はそこまで心配することはありませんが、今はタレントと一般人の境目がどんどんあいまいになっている。YouTuberやライブ配信者など、ある程度大勢の人間に自分をさらしている人はもちろん、昔の恋人とこじれて別れた経験のある人なども注意が必要です。たとえば『家の前の道が工事してる』『ゲリラ豪雨で洗濯物が濡れちゃった』などの投稿でも、かなりエリアを特定することが可能。当然、選挙カーの音にも注意するべきです」
思わぬことから身バレや事件に発展することもあるというが、具体的はどんな対策をとればいいのだろうか。
「不用意に自分の情報をネットに投稿しないことが大前提ですが、選挙カーのような突発的なものでも、機器を使ってある程度対処することは可能です。指向性や集音性能の高いマイクなら、ほとんど口元の音しか拾わないので、外の音が入ることはまれ。性能の高い機材を使いつつ、念のため音を拾わないかテストしておくといいでしょう」