水野裕子、高校生の時は「1日9食」 芸能界きってのアスリートタレントはなぜ誕生?

これまでに数多くの“筋肉系番組”に出演し、50を超える競技に取り組んだ水野裕子さん(40)は、アスリートタレントとしてのイメージを確立してきた。“怪魚釣り”でも知られる芸能界の体力自慢。スポーツを通して花開いた芸能活動、「楽しいと思うことをやり抜く」人生観を聞いた。

50を超える競技に取り組んだアスリートタレントの水野裕子さん
50を超える競技に取り組んだアスリートタレントの水野裕子さん

高校卒業で「王様のブランチ」が本格デビュー 「マッスルミュージカル」「KUNOICHI」などで活躍

 これまでに数多くの“筋肉系番組”に出演し、50を超える競技に取り組んだ水野裕子さん(40)は、アスリートタレントとしてのイメージを確立してきた。“怪魚釣り”でも知られる芸能界の体力自慢。スポーツを通して花開いた芸能活動、「楽しいと思うことをやり抜く」人生観を聞いた。(取材・文=吉原知也)

軽トラからセンチュリー、バイクにバギー…大御所タレントの仰天愛車遍歴(JAF Mate Onlineへ)

 芸能界のキャリアはグラビアから始まって、高校を卒業して「王様のブランチ」(TBS系)が本格デビューになりました。リポートのお仕事で旅ロケや食リポをするのですが、とあるディレクターさんに「体を動かす方がいいよね」と言っていただいて、体を使う体験ものの機会が増えました。この番組がアスリートタレントのきっかけです。

 リポーターはそれぞれファッションなどキャラを出すのですが、私は「スポーツ系」を見いだしてもらったんです。旅ロケでパラグライダーをしたり、休日のお出かけ特集でアスレチック施設に行ったり。TBSの番組自体を取材するコーナーで「SASUKE」や「KUNOICHI」の体験リポートをやらせていただいて。そこが入り口でした。今年でデビュー23年目ですが、「筋肉番付」の「マッスルミュージカル」などを含めた筋肉系の番組や企画に出させていただくようになって、全国で顔と名前を覚えていただけるようになりました。

 でも、私自身はスポーツの全国大会や代表選手という大きな実績があるわけではないんです。中学まで体がめちゃくちゃ小さくて、背の順はいつも一番前。体力もなく、小学生の時のマラソン大会は後ろから数えた方が早いぐらいでした。それでも、田舎の野山を走り回る感じで育ったので動くことは好きでした。小学校でミニバスを始めて中学でバスケ部に。それでも、ひょろひょろでフリースローラインからボールがゴールに届かない(笑)。

 そこで、中学で部活を始めてから、初めて自分の体のことを意識するようになりました。食べるのも遅くて給食の時間内に食べ切れないタイプだったのですが、それだと部活で全然動けないので、食べ方を工夫して、筋トレをするようになって。そうしたら、中学3年間で身長が20センチも伸びたんです。今の160センチと変わらないぐらいになりました。それ以降は、体力が付いて食べる量もぐっと増えました。高校生の時は、1日9食でした(笑)。朝、家でちゃんと朝ご飯を食べて、駅で友達と待ち合わせの間に買い食いして、コンビニで買ったものを学校に着いてから食べて、1限と2限の間にお弁当を食べてしまうので、昼は購買で買って、授業が終わって学校帰りに買い食い、バイトに行ってまかないを食べて、帰って夕食、そして、夜中に夜食を食べる。それでも、太らなかったんですよ。

 仕事を始めてからは、グラビア撮影をやっていたので体型を気にしながらも、食べたら動いておこうといった感じでした。ご飯は普通に食べていましたよ、ちゃんとお弁当を完食して。それに今はそんなに飲みませんが、当時はコーラをガブガブ飲んでいました。

2006年トリノ冬季五輪の現地キャスターは大きな経験に

 筋トレはこんな理由でやっていました。上京してすぐの時、友達もいないし、土地勘もない。お仕事以外は引きこもっていたんです。最初の2年間は家の近所がどんな場所か把握していませんでした。ある時、送られてきた地図の通りにハウススタジオに行ったら、自分の家の最寄駅でした。むしろ、家の真裏だったんです(笑)。時間はたっぷりあったので、家で筋トレばかりしていました。そのタイミングで筋肉系のお仕事がすごく増えて。20代の頃は、部活をしていた時よりも仕事で体を動かす時間の方が多く、自然と鍛えられました。

 スポーツ競技には50以上に取り組んできました。格闘技にも挑戦しました。一番好きなのはやっぱりバスケ。皆さんは私に個人競技のイメージを持たれる方が多いと思うんですけど、小学校の時からバスケ一筋でやってきました。今でも休みの日にコートに行ったり、友達と一緒に体育館を借りてバスケをやっています。おかげさまでお仕事ではNBAの番組をやらせていただいて、番組でオールスターゲームの取材に現地に行かせていただいたこともあります。そのつながりでバスケ好きな方との交流も増えて、ありがたいです。

 キャリアを振り返ると、2006年のトリノ冬季五輪で現地キャスターとして1か月間現地に行かせていただき、フィギュアスケートの荒川静香さんの金メダルを生で見て取材できたこと。これは、スポーツに関わるお仕事をしていく中で、大きなものになりました。

 20年以上の芸能生活で、スポーツ、大好きなバスケ、魚釣りも栄養学の学び直しもそうなのですが、自分が興味を持ったこと、好きだなと思ったことをやらせてもらってきました。こんなに好きなことばかりやらせてもらっていいのかなと思うぐらいですが、すごく恵まれていてありがたいなと実感しています。自分のやっているお仕事は、見てもらって「楽しいな」とか「それなんだろう、面白そう」と思ってもらってなんぼだなと考えています。見ている方に楽しさはきっと伝わるもの。これから先に自分が興味を抱くことについても含めて、どういう形になるか分かりませんが、楽しく伝えていければと思っています。

□水野裕子(みずの・ゆうこ)1982年3月8日、愛知県生まれ。グラビアを経て、スポーツキャスター・アスリートタレントとして活躍。2011年4月、修文大健康栄養学部に入学し19年3月に卒業。同年5月、国家資格「管理栄養士」の資格を取得。50を超える競技に取り組んだ中で、バスケットボールが一番得意。趣味の釣りはプロ級の腕前。

次のページへ (2/2) 【写真】水野裕子の実際のトレーニング姿
1 2
あなたの“気になる”を教えてください