宮本亞門、日生劇場は「大好きな劇場」 60周年記念公演に「喜びをかみしめております」

演出家の宮本亞門が22日、東京・日生劇場で行われた「日生劇場開場60周年記念主催公演制作発表記者会見」に登場した。当日は演出家の栗山民也、一色隆司、山田うん、高部尚子、粟國淳と松山保臣日生劇場理事長も登壇し、各公演をアピールした。

「日生劇場開場60周年記念主催公演制作発表記者会見」に登場した宮本亞門【写真:ENCOUNT編集部】
「日生劇場開場60周年記念主催公演制作発表記者会見」に登場した宮本亞門【写真:ENCOUNT編集部】

日生劇場開場60周年記念主催公演ラインアップ作品と記念ロゴを発表

 演出家の宮本亞門が22日、東京・日生劇場で行われた「日生劇場開場60周年記念主催公演制作発表記者会見」に登場した。当日は演出家の栗山民也、一色隆司、山田うん、高部尚子、粟國淳と松山保臣日生劇場理事長も登壇し、各公演をアピールした。

 栗山は「2か月くらい前ですか。ウクライナの劇場にミサイルが撃ち込まれました。ちょうどそのとき新宿の劇場でとある芝居の初日を迎えるところでした。ですが、私の頭の中はウクライナの劇場のことでいっぱいでした。劇場は人々が集い、人間について世界について考え学び、夢を見る場所だと思っておりました。劇場というのはどういう場所なのか。ずっと考えています。この機会を大切にしたいと思います」ととつとつと熱弁。宮本は「栗山さんの話からいろいろと考えてしまいまして。コロナ禍でなぜ舞台をやるのかと。何を大切にしていくのか。徹底的に打ちのめされて、考えた時期が世界中の人にあったと思います」と話し、会場を見渡した。

 続けて宮本は「私は911のときにニューヨークにいたこともあって、世界貿易センターが崩れ落ちるところを見て、絶望的になって、開演することができなかった(実際は延期)。そのときと同じで、コロナ、戦争も含めて、舞台は意味があるのかないのかという問いを我々は考えている時期だと思います。だからこそ重いです。喜びや感動や生きる希望みたいなものが必ずあるということで、最近の舞台を見ていても、ますますエネルギッシュになっています。しかし、多くのスタッフやキャストが戻ってきません。それでも、出演やスタッフたちと最高のものを作っていきたいと思っています」と抱負を語った。

 日生劇場については「大好きな劇場です」と一言。さらに宮本は「60周年おめでとうございます。日生ではいろんなミュージカルから何からやらせてもらって、僕もうれしくてしょうがなくて、こうやって舞台を上演できることの喜びをかみしめております」と喜びの声を上げていた。

 会見では日生劇場60周年記念ロゴも発表。日本の芸術文化の振興に寄与していきたいという決意を、同劇場の象徴の一つでもある劇場内のらせん階段と右肩上がりの「60」の数字でデザインした。

 2023年に60周年を迎える日生劇場は記念主催公演として、NISSAY OPERA 2023では、日本初演となる「メデア」(演出・栗山)、53年ぶりのヴェルディ作品「マクベス」(演出・粟國)、東京二期会との共催公演「午後の曳航」(演出・宮本)の3作品を上演。日生劇場ファミリーフェスティヴァル2023では、初の舞台化となる音楽劇「精霊の守り人」(演出・一色)と人形劇「せかいいちのねこ」(演出・山田)、高部の改訂演出・振付で贈る谷桃子バレエ団「くるみ割り人形」を上演する。

※高部尚子の「高」の正式表記ははしごだか

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