SUGIZO推進の新生「SHAG」、初のアルバム発売 ライブ音源から厳選「粗さやノイズも大事」

LUNA SEA、X JAPANのギタリスト・バイオリストとして活躍するSUGIZO(52)が、ベーシストのKenKen(37)らと推進する6人組サイケデリック・ジャムバンド「SHAG」が初のアルバム「THE PROTEST JAM」を7月1日に発売する。8曲入りのアルバムは、2020年からブルーノート東京(東京都港区)などで行った11公演のライブ音源から厳選したテイクを編集したもの。スタジオで音合わせをしていたSUGIZO、KenKen、キーボードの別所和洋(39)、ドラムの松浦千昇(24)に新生SHAGについて聞いた。

通称“小”SHAG(左から)SUGIZO、松浦千昇、KenKen、別所和洋【写真:山口比佐夫】
通称“小”SHAG(左から)SUGIZO、松浦千昇、KenKen、別所和洋【写真:山口比佐夫】

ライブ音源から厳選したテイクを編集したアルバムを7月にリリース

 LUNA SEA、X JAPANのギタリスト・バイオリストとして活躍するSUGIZO(52)が、ベーシストのKenKen(37)らと推進する6人組サイケデリック・ジャムバンド「SHAG」が初のアルバム「THE PROTEST JAM」を7月1日に発売する。8曲入りのアルバムは、2020年からブルーノート東京(東京都港区)などで行った11公演のライブ音源から厳選したテイクを編集したもの。スタジオで音合わせをしていたSUGIZO、KenKen、キーボードの別所和洋(39)、ドラムの松浦千昇(24)に新生SHAGについて聞いた。(取材・文=西村綾乃)

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 SHAGはSUGIZOが、2002年に結成。当時はターンテーブリストのBAKUが生み出したビートを軸に、ベーシストのミック・カーン(ex.JAPAN)らと即興演奏を展開していた。その後Ken Ken、DJ SAKらが加入し積極的にクラブシーンやレイブシーンで活動するも、2008年に活動休止。20年に今回取材に応じた4人をコアメンバーとし再編成。同年からブルーノート東京などで、ライブを繰り広げてきた。

SUGIZO「2018年にKenKenと再会して、『また、やろうか』と話を進めていました。新生SHAGには、20年前にはいなかった鍵盤奏者とドラマーを入れたいということは決めていて、別所くんに『誰かいい人がいない?』と探してもらったのが、(松浦)千昇でした」

松浦「別所さんに誘っていただいたときは、驚きました。『あの、SUGIZOさんですか?』と聞いてしまったくらいです。すぐにスタジオに入ろうと、音を合わせた時はSUGIZOさんたちの音に圧倒されました。年齢もジャンルも関係ない。『すごいな』と驚いたことを覚えています」

SUGIZO「最初の時点で、すごいスキルを持っていることは分かりました。まだ音が少し軽かった。『1.5倍増しでたたいて』とお願いしたんだよね」

SHAGが初めてリリースするアルバム「THE PROTEST JAM」のジャケット
SHAGが初めてリリースするアルバム「THE PROTEST JAM」のジャケット

 トランペットの類家心平(46)、パーカッション奏者のよしうらけんじ(51)とともに再編成された20年から、東京や大阪などでステージを開催。11公演分のライブ音源から、SUGIZOが選んだテイクを編集。そこに必要なオーバーダイビングを加えてアルバムが完成した。

SUGIZO「曲の一番いいテイクを探すことは大変な作業でした。例えば、リズム隊はブルーノート東京の初日のファーストのテイクが良いけど、上物は大阪のセカンドが良い。同じ曲でも前半と後半でテイクが違えば、後半は配信ライブのものを持ってこうようとか。日時も場所も異なるテイクが1曲の中に混在しています。珍しい手法に感じるかもしれませんが、僕が大好きな(作曲家、ギタリストのフランク)ザッパなどはこの手法で70年代に数々の名作を生み出しているんです」

別所「マイルス(デイビス)とか、当時は割と一発取りに近い形で収音をしていたので、この手法でライブ音源を残していたのだと思います。現在は音楽をデータでやり取りすることが多いですが、当時はテープで録音していましたから。『より良いものにしたい』という音楽家の執念だったのだと思います」

 スタジオで収録した音楽をアルバムにすることもできるが、なぜライブ音源にこだわったのだろうか。

SUGIZO「ライブでしか生まれないダイナミズムがあるんです。それをアルバムに込めたかった。チック・コリアが亡くなった後に行ったライブでは『Spain』を演奏して追悼しました。ライブ中は曲ごとに感情に変化があるので、そういう部分も体感してほしい。緻密でなくても良い。粗さやノイズ、少しへくったところだって大事なんです」

KenKen「うん。やっぱりお客さんが入っているか、そうじゃないかで全然違う。拍手をしてもらったり、演奏中に見えた笑顔とか。ミュージシャンとして、お客さんの存在がいかに大切かということは、コロナ禍でライブができなくなったことでも痛感しました。もし同じような空気感をスタジオで再現しようってなったら、ベロベロに酔っぱらわないとできないと思います」

 SHAGのインタビュー。後半は新生SHAGが初めてライブを行った2020年12月6・7日を振り返りながら、6・7月に予定しているステージについて語ってもらう。

□SHAG(シャグ)ギター・バイオリンのSUGIZO (LUNA SEA、X JAPAN)、ベースのKenKen (RIZE、LIFE IS GROOVE)、トランペットの類家心平(RS5pb、菊地成孔ダブ・セプテット)、キーボードの別所和洋(パジャマで海なんかいかない)、パーカッションのよしうらけんじ、ドラムの松浦千昇(Yukino & Glanax)の6人組。2002年に結成し、20年に現メンバーに再編。ライブを中心に活動している。

次のページへ (2/2) 【写真】SUGIZO、KenKenら「SHAG」メンバーの別カット
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