自分が人前に出る、出ないには、こだわりはないですね。芝居でも歌でも、自分の身体を使って表現するか、ほかの人の身体を使って表現するかの違いだけ。これまで自分が人前に出て「かっこいい」とよく言われてきましたけど(笑)、僕にとっては褒め言葉とは感じなくて、言われても嬉しくない。僕が人前に出ても出なくても、面白いものを作れたらいい、と思っています。どちらかというと、裏方のほうが性に合ってるな、と思うぐらいです。

　痩せた?　そう、鏡を見て自分でも思ったんですけど、先月、母が亡くなって、喪主として葬式だなんだってあったからかな。母は大病せず、最後まで頭もしっかりしてたんですけど、去年の年末に誤嚥性肺炎で入院して医者に「覚悟してくれ」と言われ……84歳でした。僕はヤンチャだから、心配を相当かけたと思います。母に一番怒られたのは、僕がジャニーズ事務所を辞めたときと、その後の大手の俳優事務所をやめたとき。「あんた、何考えてるのよー！！　あんたは大沢家の疫病神よー！！」って(笑)。今となっては良い思い出。正直、母親を失うってキツイ。仕事でバタバタしているおかげで、気が紛れていますけどね。

　去年はジャニー(喜多川)さんが亡くなったから、「かーちゃん、ジャニーさんに挨拶しといて」って感じですね。ジャニーさんはあまり怒らない人だったんですけど、一度、同じ事務所のタレントと夜遊びしたのがバレたときは、すっごい怒られました。そういうことが嫌いだったので。電話の受話器を壁に向かって投げたりして、すっごい怖かったです。

　僕自身のプライベートについては、12年前に再婚して、春から小学校にあがる娘が1人います。家にいるときは、なるべく娘の遊びに付き合っていますけど、こまっしゃくれて生意気で (笑)。でも、すごいかわいくて、ずっとちっちゃいままでいてほしい。自分の幼い頃に瓜二つなんですよ。でも、娘には芸能界に入るより、アイススケートとかクラシックバレエとかで、一芸を極めてほしいですね。

□大沢樹生 (おおさわ・みきお)1969年4月20日、東京・文京区生まれ。小学6年生でジャニーズ事務所入り。1983年、5人組「イーグルス」でデビュー。1987年、7人組「光GENJI」で再スタートしトップアイドルに。人気絶頂の1994年、脱退し事務所退所。その後はソロ歌手、俳優として活動するほか、2007年には映画「怪談・牡丹灯籠 もっともっと、愛されたかった。」プロデュース。2014年、「鷲と鷹」で長編映画監督デビューし、元光GENJIの諸星和己とW主演した。1996年、元女優と結婚。2005年離婚。2008年、15歳年下の一般女性と再婚し1女。