休止中のライブハウス 再開を検討も「ミュージシャンの生活」と「お客様の安全」意見は真っ二つ
新型コロナウイルスの感染問題で、連日イベントの中止や延期が発表されるなど、エンタメ業界にも大きな影響が及んでいる。中でも、大阪のライブハウス参加者の感染は大きく取り上げられ、音楽関係者に大きな影を落とす。出口の見えない状況を現場で働く関係者はどう見ているのか。今回は、東京にあるライブハウスで出演者のブッキングや企画を担当し、自らもAKB48の「君はメロディー」を作曲するなどミュージシャンとして活躍する成瀬英樹氏(51)に現在の状況を聞いた。
ライブハウスのスタッフが告白「今まで味わったことのないストレス」
新型コロナウイルスの感染問題で、連日イベントの中止や延期が発表されるなど、エンタメ業界にも大きな影響が及んでいる。中でも、大阪のライブハウス参加者の感染は大きく取上げられ、音楽関係者に大きな影を落とす。出口の見えない状況を現場で働く関係者はどう見ているのか。今回は、東京・町田市にあるライブハウス・レストラン「まほろ座MACHIDA」で出演者のブッキングや企画を担当し、自らもAKB48の「君はメロディー」を作曲するなどミュージシャンとして活躍する成瀬英樹氏(51)に現在の状況を聞いた。
――「まほろ座MACHIDA」は、町田駅前にあるライブハウスとして有名ミュージシャンの出演から、ジャンルを問わず様々なライブを開催していますが、現在は営業自粛を余儀なくされていると。
「はい。3月1日まで通常営業をしていましたが、社の決断で2日から19日までお休みして、20日から再開の予定です。ただし、1回だけ11日に無観客ライブ配信をやってみました」
――出演ミュージシャンからの延期やキャンセルの要請も多かったと思いますが?
「ミュージシャン側から自主キャンセルの申し出は、ありましたね」
――このまま予定通りライブを行いたいというミュージシャンも?
「いらっしゃいましたが、ライブハウスとしての判断ですので、その旨を了承してもらいました」
――苦渋の決断ですね?
「そうですね。新型コロナの感染拡大を防ぐための判断ですが、3月1日に開催した公演は、当初予約で満席でした。ところが『キャンセルしても良いですよ』とアナウンスしたら、少なくない数のお客様が当日キャンセルとなりました。覚悟はしていましたが、やはりショックはありました。それが止むを得ないことだとわかっているからこそ、やりきれませんよね。」
――集客の面でも店を開ける事でかえって負担になってしまう?
「我々は日頃からどんな人数であっても一公演一公演、大切に向き合ってきているのでお店に負担がかかると言うよりもアーティスト側の判断ですよね。特にベテランミュージシャンはお客さんの年齢層も高いですから、感染の重症化も懸念して判断しなければいけないですし、安心してライブを観ていただけるようになるまで、泣く泣く苦渋の決断で延期をされるアーティストもおられました」
――再開しても細心のケアをしなくてはいけないと?
「当然やらなくてはいけないですね。感染に注意するとなると、できるだけ満席公演を避けるように考えなくてはいけないのですし、ライブハウスとしては、やっぱり満席公演を作っていかないと商売に結びつかない。だから少人数公演を中止にしたいと思っているライブハウスも、もしかしたらあるかもしれませんが、むしろ少人数のお客さんを相手にしているミュージシャンこそ、収入源が絶たれてしまうわけですから、本人たちも中止にしたくないと思っているはずです。これからも難しい判断を迫られますね」