本仮屋ユイカ、9歳で訪れた転機「安室奈美恵さんに憧れて」 朝ドラは「自分の財産」

女優の本仮屋ユイカが、主演のTOKYO MX月曜ドラマ「片恋グルメ日記2」(毎週月曜、夜10時)で豪快な食べっぷりを見せている。口いっぱいにほお張る姿は、スタッフから「やり過ぎ」と注意されるほど。アドレナリンが出まくるという撮影では「一口をなるべく大きくすることがモットー」という。しずる感たっぷりの演技は、大食いタレントのギャル曽根を手本にしているそうだ。同作の見どころ、芸能生活25年目を迎えての思いなどを聞いた。

「食べるシーンは、アドレナリンが出る」と語った本仮屋ユイカ【写真:小黒冴夏】
「食べるシーンは、アドレナリンが出る」と語った本仮屋ユイカ【写真:小黒冴夏】

豪快な食べっぷりは「やり過ぎ」と注意も

 女優の本仮屋ユイカが、主演のTOKYO MX月曜ドラマ「片恋グルメ日記2」(毎週月曜、夜10時)で豪快な食べっぷりを見せている。口いっぱいにほお張る姿は、スタッフから「やり過ぎ」と注意されるほど。アドレナリンが出まくるという撮影では「一口をなるべく大きくすることがモットー」という。しずる感たっぷりの演技は、大食いタレントのギャル曽根を手本にしているそうだ。同作の見どころ、芸能生活25年目を迎えての思いなどを聞いた。(取材・文=西村綾乃)

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 同作は出版社が舞台のラブコメディー。原作はアキヤマ香の同名人気コミックで、2020年に第1弾が放送されていた。

「私はよつば出版に勤める編集者の所まどか(通称:コロ)を演じています。恋愛未経験のコロは、片想いの相手・八角(直哉)さん(平岡祐太)に近づくため、彼が食べたものと同じものを食べて妄想を膨らませるチャーミングな女性です。5月に始まった続編は、原作がないオリジナルストーリーです。第1弾の最後で結ばれた2人の恋の行方を描いています」

 煮え切らない2人が結ばれ、ホッとしたのも一安心。第1話のラストで、コロは八角から「明日から、大阪に転勤する」と告げられた。第2話では、新しい恋人候補も現れ、心が定まらない日々を過ごしている。

「続編ではいろいろな男性の間でフラフラするようになります。『こんなの原作にないよね。アキヤマ先生や原作ファンが怒らないかな?』と心配でしたが、先生も楽しんでくださってるようでホッとしています」

 本仮屋は視聴者の反応が気になって、放送後にエゴサーチ。第2話放送終了後には、東京エリアで番組名がツイッター検索ランキングの上位となり、「奇跡」と喜んだ。

「賛否の『否』も真摯(しんし)に受け止めますが、怖いのでハッシュタグに、作品名を付けて検索するようにしています。私は全身全霊で演技をするのが大好き。原作ファンのイメージを壊さないように配慮しながら、コロが34年の人生の中で一番手に入れたいと思っている『愛』に向かって、一心に突き進んでいます」

ホッとするものは「妹のリイナが作ってくれるクッキー」

 奥手な八角とはなかなか進展しないが、毎回、イケメンたちに翻弄される。では、コロとしてではなく、本仮屋の目に魅力的に映るのは誰なのだろう。

「八角さんと言いたいところですが、推しキャラは、2話に登場したジムトレーナーの細川(小林亮太)です。エネルギッシュな演技にグッときました。プライベートでは、話を最後まで聞いてくれる包容力がある人に惹かれます。男女問わず、余裕がある人は魅力的ですよね」

 恋愛に猛進するように、本仮屋は登場するおいしそうなグルメにも食らいついていく。

「食事のシーンは私ではなく、食べるものが主役だと思っています。どの角度で口を開ければ、よりおいしそうに見えるのかを出せるのか。日々、イメージトレーニングをしています。食べるシーンはファーストインプレッションも大事にしたいので、撮影ギリギリまで(食べものを)なるべく見ないようにしています。この部分はドキュメンタリー的な要素も含んでいると思っています。チームとしての結束も強く、食材が光るように照明を当ててくれたり、私がどんぶりから顔を上げれば、カメラも一緒に上がるなどです。全員がコロの気持ちになって撮影に臨んでいます」

 劇中では、コロは担当するマンガ家の曲家りんご(藤田玲)から、「人生は自分で選択できる」と鼓舞される。10歳で芸能界入りした本仮屋も、決断することの大切さを身をもって感じている。

「人生で一番大きな転換期は、児童劇団に応募をした9歳のときです。安室奈美恵さんに憧れて、夢中でテレビを見ていました。キラキラした人たちが、楽しそうに自分を表現している場所に入る道は劇団だと思い、自分で資料を送りました。あの決断がなければ、こうやって取材を受けることもありませんでした。劇団では同じ夢を持った同世代の子たちと出会って、ハングリーさも養われました」

 人生最大の決断から、約四半世紀がたった。思い出深いのは「朝ドラ」だ。

「部活動や受験などでお休みした時期もありましたが、続けてきたことは自分の財産になったと思っています。NHK連続テレビ小説『ファイト』で主演を務めたのは17歳のとき。当時はSNSなどなかったので、周囲の反応を知ることなんてほとんどありませんでした。最近、2000年代に放送されたNHKの朝ドラランキングというものが公表されて、そこで1位に選んでいただいたということを知り、とてもうれしかった。がむしゃらに撮影に向かっていた当時の自分に、『続けていたら良いことがあるよ』と伝えたいです」

 そして、25年目で出会った同作では、「何を食べるのかではなく、誰と食べるのか」など、人とのつながりを大切にするセリフもある。自身が「ホッとする」食べものを聞くと、本仮屋は「妹のリイナが作ってくれるクッキーです」と即答。「専用のオーブンも買って、本格的なんです。中でもレモン果汁を絞ったレモンクッキーがお気に入りです。『お金を払うから作って』とお願いしています」と笑った。

□本仮屋ユイカ(もとかりや・ゆいか)1987年9月8日、東京都生まれ。10歳から芸能活動をスタート。NHK教育「わくわくサイエンス」などに出演した。2001年にドラマ「3年B組金八先生」で女優デビュー。05年のNHK連続テレビ小説「ファイト」では、応募者1154人の中からヒロインに抜擢。朝ドラ史上、10代女優で全話を通じて主演を務めた初めての作品になった。代表作はTBS系連続ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」、映画「スウィングガールズ」など。趣味は読書、水泳など。妹の本仮屋リイナはフリーアナウンサー。165センチ、血液型A。

ヘアメイク:平林輝之(アルール)
スタイリスト:ナカイマサコ

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