陣内孝則、シルバーヘアの秘密 先輩から「早すぎるぞ」と言われるも「これでいいや」

映画「ALIVEHOON アライブフーン」(公開中、下山天監督)で、ゲーマー出身のドリフトレーサーの主人公(野村周平)を見守るチーム監督役を演じた陣内孝則(63)。その存在は、まさにいぶし銀の魅力だ。ヘアスタイルも今や、シルバーがトレードマークになっている。その理由とは?

シルバーヘアを語る陣内孝則【写真:舛元清香】
シルバーヘアを語る陣内孝則【写真:舛元清香】

映画「ALIVEHOON アライブフーン」公開中 まさにいぶし銀の魅力

 映画「ALIVEHOON アライブフーン」(公開中、下山天監督)で、ゲーマー出身のドリフトレーサーの主人公(野村周平)を見守るチーム監督役を演じた陣内孝則(63)。その存在は、まさにいぶし銀の魅力だ。ヘアスタイルも今や、シルバーがトレードマークになっている。その理由とは?(取材・文=平辻哲也)

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 最新出演作の映画「ALIVEHOON アライブフーン」は、崖っぷちのドリフトレーシングチームが、eスポーツのドリフト王者(野村周平)を迎え入れて、頂点を目指す本格カーレース・ストーリー。陣内演じる武藤亮介は元レーサーだったが、事故でハンドルを握ることができなくなり、監督として、主人公を引っ張る存在となっていく。その監督役には白髪姿が似合っている。

 以前は、髪は黒々としていたが、いつシルバーヘアにしたのか。「4、5年はたつんじゃないですかね。以前は、白髪染めのコマーシャルをやっていましたから。長年やらせてもらいましたし、契約が切れて、いきなり白くしたら、失礼じゃないかなと思って、5年ぐらい我慢していたんですよ。白髪染めは助かったんですけど、2週間に1回、美容室に行かないといけないのが面倒くさくなっちゃって……」。

 筆者も今年54歳。月に1回毛染めをしているが、確かに面倒くさい。毛染めをやめたいが、黒い部分も残っているので、すごく中途半端なのだ。40代後半からの男性も悩んでいる人は多いだろう。

「でも、黒く染めた方が若くは見えますからね。先輩の俳優さんからは『お前、ちょっと白くするのが早いぞ』って言われましたけど、これでいいや、と思っています」と潔い。

 現在、63歳。60代に入って、仕事へのスタンスは変わってきたか。

「40代終わりの頃だったかな、2時間ドラマで共演した根津甚八さん(2016年12月死去、享年69歳)から、『50を過ぎたら、仕事がどんどん減っていくから、趣味を持たなきゃ駄目だぞ』と言われたことがあって、『趣味ね……』と思ったんですけども、仕事が趣味みたいなもんじゃないですか。実際、50を過ぎても、意外と忙しかったので、あんまり、そういうことを考えなかったんです。でも、60を過ぎたときに、コロナ禍になってしまって、(ドラマや映画の制作中止、延期で)時間ができるようになって、根津さんが言っていたことが身に染みるようになりましたね」と話す。

コロナ禍で体重10キロ増と明かす陣内孝則【写真:舛元清香】
コロナ禍で体重10キロ増と明かす陣内孝則【写真:舛元清香】

趣味は競馬「特別レースのある土日は3競馬場の全部にかけちゃったりする」

 趣味は競馬。「それさえなきゃねぇ、マンションの一つでも持っていたんだけど(笑)。たまに決め打ちでこのレースだけと決めておけばいいんですが、特別レースのある土日は、3競馬場の全部にかけちゃったりするんで、そういうことをやっていると、勝てませんね。たまに、大きいのを取ったりすると、そのイメージだけが残っている。その結果、収支がどんどんマイナスに」と苦笑い。

 コロナ禍では、時間を持て余して、10キロくらい体重が増えてしまったとも明かすが、顔に出ないせいか、あまり分からない。「鼻とアゴがとんがっているせいですね(笑)。コロナで暇だったもんですから、韓流ドラマと大谷翔平にハマってしまった。テレビをグダーっと見ているのが、この世の天国だと思うんですよね(笑)。そんなだらしない生活を送っていたんですよ」。

 今後は「必要としてくれる現場がある限りは、頑張っていこうかな、と思っているんです」と話す陣内。これからも映画、テレビ、舞台で“渋さ”を見せてほしい。

□陣内孝則(じんない・たかのり)1958年8月12日、福岡県出身。82年に「爆裂都市 BURST CITY」で俳優デビュー。「ちょうちん」(87)で第12回報知映画賞主演男優賞、第30回ブルーリボン賞主演男優賞、第11回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。「極道(やくざ)渡世の素敵な面々」(88)と「疵」(88)でも第12回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。主な映画出演作に、「さらば愛しのやくざ」(90)、「河童」(94)、「種まく旅人~みのりの茶」(2012)、「超高速!参勤交代」(14)などがある。監督作品として、「ロッカーズ」(03)、「スマイル~聖夜の奇跡~」(07)、「幸福のアリバイ~Picture~」(16)がある。

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