身も心も丸裸にしてやる! ノア・金剛の拳王と激突するDDT・佐々木大輔が非情の通告

「丸裸にしてダイスケに戻してやる!」と佐々木大輔が拳王に通告した。

すっかり拳王を見下す佐々木大輔【写真:柴田惣一】
すっかり拳王を見下す佐々木大輔【写真:柴田惣一】

毎週金曜日午後8時更新 柴田惣一のプロレスワンダーランド【連載vol.98】

「丸裸にしてダイスケに戻してやる!」と佐々木大輔が拳王に通告した。

 サイバーファイトフェスティバル(CFフェス)2022(6月12日、さいたまスーパーアリーナ)で、ノア・金剛の拳王と「NOAHvsDDT対抗戦」(ハードコアマッチ・ノーDQルール)で激突する佐々木。記者会見で拳王から火炎キックを浴びるなど、波乱の連続だった。

「アイツから仕掛けてきたんだ。でも、あれでアイツの限界も見えてしまった。アレ以上はないんだな」とズバリ。拳王の先制攻撃を許したが、ノア5・30神奈川・川崎大会に乗り込み、スタンガンで失神させるなど、すぐにペースを握り返している。

 それどころか、佐々木が敷いた「6・12丸裸への道」に拳王を引きずりこむことに成功した。ノア6・5新潟・長岡大会へ襲撃予告したものの動かなかったのも、かく乱作戦のひとつ。さらに6・8後楽園ホール大会に、遠藤哲哉、秋山準らは現れたのに、佐々木の姿はなし。拳王は「どこにいるんだ。ビビってんじゃねえよ」と怒りを爆発。秋山には「毛がない」と八つ当たり。「DDTを潰す」と拳王のイライラはピークを越えてしまった。

 佐々木は「カリカリきているようだな。俺様の思い通りに物事は進んでいる」と高笑いを決め込んでいる。元より初対戦となった5・30川崎大会で「ヤツのことはすべてわかった。キックしかできない。直線的ファイトだし、ヤツのやってくることは、すべて読める。もう少し、頑張ってくれよ。ファイアーしかないのか。もっと楽しませてくれよ」と完全に見下している。反則裁定なしのハードコアマッチになったが「俺様はその土俵にも慣れている。大体、最初からそのつもりで、色々と用意してきた」といよいよ乗ってきた。

 ハードコアマッチは3・20東京・両国大会で“デスマッチのカリスマ”葛西純と対戦し、免疫ができている。MAOも加わった3WAYマッチだったが、葛西の狂気に触れ、血だるまにされたことで「拳王のやりそうなことはお見通しだし、俺様はヤツには想像もつかないことを、いくつも繰り出してやる」とうそぶく。

 6・12決戦では、身も心も丸裸にされた拳王の屍をリングに放置する。「アイツも、ダイスケ(拳王の本名=中栄大輔)じゃねえか。結構、大輔って多いんだ。拳王なんて格好つけてないで、俺様に丸裸にされるんだから、本名でやれば」とニヤリ。

佐々木大輔(右)は拳王を激しく攻め立てた【写真:DDTプロレス提供】
佐々木大輔(右)は拳王を激しく攻め立てた【写真:DDTプロレス提供】

奇しくも大輔対決「実は俺もアイツも友達少ないんじゃないか」

 奇しくも大輔対決となった拳王との一騎打ち。2人には共通点もある。佐々木はDAMNATION.TAを、拳王は金剛を率いているが、佐々木は「実は俺もアイツも友達少ないんじゃないか」と苦笑いする。

 というのも拳王の火炎キックを浴びた時、DDT勢に見殺しにされたことが尾を引いているのだ。「ノアとの対抗戦と銘打たれているんだから、会見場にいたDDTの誰かが助けてくれてもいいんじゃないか。みんな知らん顔しやがった。動けないまま倒れている俺をやっと起こしてくれたのは今林GMだった。さすがの俺様もへこんだな」と珍しく弱気な表情を浮かべた佐々木である。

「DDTを背負う」とは言ったものの「アイツとの個人闘争かな」とポツリ。ただしノアへの怒りは隠そうとしない。「あまり(ノアの試合を)見ない。面白くないし、古臭い」と同じサイバーファイトグループながら手厳しい。

「本当はアイツの土俵である通常ルールの試合でも良かった。でも、アイツが仕掛けてきたんだから、ハードコアマッチに応じてやった。まずはアイツを潰してやって、ノアに思い知らせてやる」と佐々木の両眼が光る。

 かつてノアがメジャー団体一角を占めていたことは認める。でも「今は立場は逆転しているんだ。名前が残っているだけじゃねえか」とはっきり指摘する佐々木は「カリスマ」と呼ばれている。悪ぶっているが本当は人望もあるし信頼も得ている。DDTそしてDDTファンの思いを背負って、拳王を丸裸にする。使命を果たすのみだ。

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