【ズバリ!近況】体操教室経営の池谷幸雄さん「コロナの影響は相当痛い」体操界の苦境も明かす

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東京五輪開催を危ぶむ声が強くなってきている。選手や指導者の不安ははかりしれないだろう。五輪メダリストで、指導者としてもトップレベルの選手を育ててきたタレント・池谷幸雄さん(49)も思いは複雑だ。さらに、スポーツクラブなどが営業を自粛しているが、池谷さんは体操教室を経営・運営している。影響はどうなのか。池谷さんに話を聞いた。

“コロナ自粛”の苦しさを訴える池谷幸雄さん【写真:山田隆】
“コロナ自粛”の苦しさを訴える池谷幸雄さん【写真:山田隆】

体操教室の経営は難しい

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東京五輪開催を危ぶむ声が強くなってきている。選手や指導者の不安ははかりしれないだろう。五輪メダリストで、指導者としてもトップレベルの選手を育ててきたタレント・池谷幸雄さん(49)も思いは複雑だ。さらに、スポーツクラブなどが営業を自粛しているが、池谷さんは体操教室を経営・運営している。影響はどうなのか。池谷さんに話を聞いた。

 池谷幸雄体操倶楽部(IGC)を東京・小平で始めてこの春で20年目になります。最初は子供たちが身体を動かせる場所を作ってあげたくて体操教室を始め、今は大阪、名古屋、滋賀、それに10年ぐらい前から提携している大手の「スポーツクラブNAS」の中のキッズスクールとかを含めると、全国13拠点に増えました。社員はアルバイトとかを含めると約25人、会員は一般の小学生中心のコースと、トップを目指す選手たちのジムナストコースの2本立てで合計1200人。指導は専門のコーチに任せ、僕はタレント活動のほか体操教室のイベントや講演で全国を回っています。月の半分ぐらいは地方に行っていますね。行った先にIGCの教室があれば寄って、様子を見るようにしています。

 経営はずっと大変。トントンですよ。体操教室の経営って難しいんです。安全面を考えると、指導者1人でみられる子供は10人前後が限界だから人件費がかかる。場所をとるし、飛んだり跳ねたりするから天井の高さも必要だし、高い器具も揃えなければいけません。小平本校は140坪を月105万円で借りているんですよ。2階建ての体育館は、最初に揃えた体操器具を含めると3億円近くかかっていますから、ローンの返済やリース代の支払いもあります。オヤジにはサラリーマン時代に貯めた貯金を、全部吐き出させてしまって……ホント、早く返してあげたいんですけどね。

コロナ自粛の影響は「相当痛い」

 今回の新型コロナウイルスの影響は、相当痛いですよ。「スポーツクラブNAS」は3月いっぱい全店舗営業休止にしたので、その中に入っている僕のキッズスクールとかも休止せざるを得ず、直営の小平校も1週間、休校にしました。クラブを休みにしたら会費は振り替えますが、従業員の給与や場所代は支払わなければいけませんからね。

 コロナウイルスが怖くてもずっと屋内に閉じこもっていては運動不足になるし、会員の親御さんからの要望も多いので、小平本校は僕の判断で7日から再開しました。1時間おきに体育館の換気を行い、消毒用スプレーの使用、体育館中に衛生除菌・除ウィルス消臭水噴霧など万全の対策をとっています。子供たちには、お互い近づきすぎないように指導しています。

体操への恩返しの思いと経営者としての強い責任感がある

 経営が大変でもクラブを続けているのは、自分を育ててくれた体操に恩返しをしたいから。体操って遊びの延長で始められるので、幼い子でも始めやすいんですよ。知らず知らずのうちに体幹が鍛えられて、柔軟性がついて、身体のバランスが良くなります。成長してほかのスポーツを始めるにしても、その基礎となる身体作るができるので、やってて損はないんですよ。加えて僕のクラブでは、挨拶や礼儀を身に着けさせることも重視しています。

 経営者としては、社員として雇っているコーチたち、その家族、教えている子供たち、その親御さんたちがいます。みんな強くなりたい、強くしたい、と夢をもって一生懸命がんばっているので、僕が中途半端に放り出すわけにはいきません。僕と一緒にソウル五輪、バルセロナ五輪に出場してメダルを獲った西川大輔の6歳の息子も、今、小平本校に通ってきているんですよ。西川は今、日本大学スポーツ科学部の教授になっています。

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