【週末は女子プロレス#52】空手世界一で現役の看護師、異色の女優・長野じゅりあがプロレスラーになったワケ

長野じゅりあ【写真:新井宏】
長野じゅりあ【写真:新井宏】

プロレスならではのタッグマッチに困惑「意味がわからなかった」

 また、長野にとってはタッグマッチ初体験。空手にはない、プロレスならではの試合形式だ。

「最初はなんで2対2でやるの? それって反則じゃない?みたいな感じでタッグの意味がわからなかったです(笑)。でも、デビュー戦がタッグでよかったですね。すごく心細かった中で宮本さんとの空手コンビだったので、空手技で連係を出せたりとか、プロレスっていいなと思いました」

 長野はプロレスを続行。4・9後楽園で東京女子のエース山下実優、5・3後楽園で鈴芽とシングルマッチをおこなった。

「空手がバックボーンの山下選手と2戦目で闘うなんて思ってもみなかったです。試合が始まって一発蹴られた瞬間、これはヤバいと思いました。想像以上のすごい衝撃で、正直、何分もつかなって弱気になった部分はあります。自分を奮い立たせてなんとか立ってたんですけど、ムチャクチャ強いなって闘ってみてホントに再認識しました。鈴芽選手とはデビュー戦で闘っていたのでクセみたいなものをわかっていたつもりなんですけど、すばしっこくて身体能力も高い。それでいて、あの笑顔で私を翻弄(ほんろう)してくる。負けて悔しいので、いつの日かリベンジしたいです!」

 そして迎える第4戦が、6・12さいたまスーパーアリーナでの「サイバーファイトフェスティバル2022」。DDT、NOAH、東京女子、ガンバレ☆プロレスが一堂に会するスーパービッグイベントだ。ここで長野は、山下、伊藤麻希とトリオを結成、乃蒼ヒカリ&鈴芽&荒井優希組と6人タッグマッチで対戦する。6人タッグは初めてであり、現役アイドル、SKE48荒井とは大注目の初対戦となる。

「まだ3試合しかしていないし、勝ててもいない。それなのに対戦相手がすごくて毎回(カード発表に)驚いています。今回は山下さんがパートナーですごく心強いですし、(インターナショナル・プリンセス王者)伊藤さんの闘い方もすごく好きなんですよ。なので、同じチームで協力しあって、次こそは絶対に勝ちたいですね。6人タッグもプロレスならではの形式で、連係とか大事じゃないですか。研究して、勉強します。荒井選手ですか? 最初はアイドルさん(がプロレスをしているん)だなって思ってたんですけど、一度試合を見てみたら全然アイドルじゃないなって。眼力もすごいですし、ホントに引き付けられるプロレスをしますよね。怖い選手だなって思ってます」

 長野自身も「楽しみ」と言うマッチアップ。荒井との初顔合わせで東京女子に新しい何かが生まれるのではないかとの期待もある。これからキャリアを重ねていくにつれて、長野じゅりあにしかできないプロレスを見つけてほしい。バックボーンやポテンシャルからしても、その可能性は大いにあるとみていいだろう。では、彼女にとって東京女子とはいったいどんな場所なのか。

「熱い場所ですね。バチバチしてるだけじゃなくて、練習のときはみんなで支え合っている。山下選手と対戦する前には、空手のこういう技が相手によりダメージを与えられるよとかアドバイスをもらったりしましたし、中島(翔子)さんから受け身の取り方を教えてもらったりとか、どうしたらもっとよくなるか、みんなで助け合ってるんですね。それがいざ闘うとなると切り替わって、絶対に勝つという闘志がすごい! とにかく練習中も試合中も、ずっと熱いです。絆も深くて、私にとって最高な場所です!」

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