子役、モデルから女優として開花 21歳山田杏奈の転機となった“病院で出ているだけの役”

「ちゃおガール」グランプリから11年の山田杏奈【写真:荒川祐史】
「ちゃおガール」グランプリから11年の山田杏奈【写真:荒川祐史】

11月には「夏の砂の上」で初舞台「私にとって本当に違う世界」

 主演、ヒロイン、脇と幅広いポジションを演じているが、その違いはどう感じているのか。「主演は、その人の目線で話が進んでいるので、ある程度、自分勝手にやっていかないといけないですし、監督と話しながら作っていくことも多いですし、自分から提案することもあります。ただ、座長と言われると、どうしようという感じで、現場での振る舞い方が分からないです。ヒロイン、二番手、三番手だと、全体での役割を考えたり、作り方は変わっていきますが、一つの役をちゃんとやることには変わりないので、それに徹しようと思っています」。

 2011年に「ちゃおガール☆オーディション」でグランプリを受賞し、芸能界入り。キャリアは11年にもなる。「同年代の周りの子は就活の時期なんですが、自分が女優をやってなかったら何していたんだろう。思いつかないし、辞めたいなと思ったことも1回もありません。そう考えると、楽しいなって思うことを仕事にできている、すごい幸せだなっていうのは思います」。

 女優としての転機になったのは、15歳の頃。「(デビュー作のドラマ)『刑事のまなざし』は病院で寝ているだけのお芝居だったんですけど、ちょっとずつお仕事をさせていただく機会が増え、眼力のことを言ってもらえることが多くなり、自分にも何か特色があるんだと思えました。私だからできることがあるのかなって思ったことがきっかけです」。

 今年11月には田中圭、西田尚美出演の「夏の砂の上」(作・松田正隆、演出・栗山民也、世田谷パブリックシアター)で初舞台を踏む。「マネジャーさんとは2、3年前から、ゆくゆくは舞台をやりたいねと話していたんです。話を頂いてから、1年半ぐらい経って、やっと心構えができたところです。映像しかやってこなかった私にとって、本当に違う世界なので、緊張や不安の方が大きいです。ここで1回へし折られる時期だと思いますので、1回挫折して、新たに得られたらいいと思います。真摯(しんし)にやっていきたい」と意気込んだ。この初舞台がターニングにもなりそうだ。

□山田杏奈(やまだ・あんな)2001年1月8日、埼玉県出身。11年に「ちゃおガール☆2011オーディション」でグランプリを受賞。映画「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」(16)で映画初出演。映画「ミスミソウ」(18)で映画初主演を務め、「小さな恋のうた」(19)では第41回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞した。主な出演作にドラマ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」(20)、映画「名も無き世界のエンドロール」(21)、ダブル主演映画「樹海村」(21)、映画「ひらいて」(21)など。

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