女流雀士・松嶋桃、クイズ「アタック25」優勝で人生一変 原動力は麻雀界の発展

「アタック25」の優勝は麻雀人生も変えたという松嶋桃【写真:ENCOUNT編集部】
「アタック25」の優勝は麻雀人生も変えたという松嶋桃【写真:ENCOUNT編集部】

人生の転機となった「アタック25」での優勝

 麻雀実況だけでなく、クイズ番組にも多数出演している松嶋。「パネルクイズ アタック25」での優勝が、人生にとって非常に大きな転機になったと振り返る。

 番組に応募したきっかけは、ネット番組で行われた麻雀プロのクイズ大会だった。「京大卒だから呼ばれた」としつつも、見事に優勝を果たし、番組主催側も松嶋がクイズに向いていると言ったという。

「もともとクイズ番組を見るのが好きだったので、『アタック25』はもちろんいろんな番組も見ていたんです。クイズに向いていると言われて、うれしかったです」と、クイズへの興味をより引き出すことになったと明かす。

 転機となった「アタック25」に応募したのは、その場の“ノリ”だった。

「たまたま友達と飲んでるときに、クイズの話になって、『応募したらいいじゃん』と言われて、その場のノリで。でも、一番のきっかけは、クイズ番組に呼んでもらって、勝ったことで『向いている』って言ってもらったことです。ただ、応募はその場のノリでしたね(笑)」

 一般の応募者とともに、選考会場でのアンケートや筆記試験などを経て、参加者に選出された。試験のためにクイズの勉強や対策も徹底した。「試験も大変でしたけど、なんとかきちんと通過しました」と振り返りつつ、面接では麻雀プロとしての出演を望んだ。その理由には、麻雀プロとしての思いが込められていた。

「麻雀プロや麻雀を広めたいって気持ちでした。でも、番組に出演して、それでめちゃくちゃアホだったら麻雀プロのイメージが落ちるなって思いました。だから、クイズやパネルの取り方もすごく勉強しました」

 勉強や対策の効果もあり、「アタック25」で見事に優勝を果たす。その後の変化は人生を変えるほどだった。

「まず、放映中の30分間でツイッターのフォロワーがすごく増えましたね。そのあと、事務所に入っていない段階で民放のクイズ番組に2回くらい呼ばれました。そのとき、1人でフラフラしてる私に、共演したある男性の経済学者の方が『松嶋さん芸能事務所入っていないの?』って言ってくれました。それで紹介してもらって出会ったのが、今のマネジャーさんなんです。だから、『アタック25』に出ていなかったら、クイズ番組に出ることもなかったですし、事務所に入ることもなかったです。事務所に入ったから有名なクイズ番組のオファーが来るようになったので、人生が変わりましたね」

 さらに、メディア出演だけでなく、麻雀実況の仕事にも好影響が及んだ。

「今はMリーグの審判をやっている張敏賢さんに、当時『メディア出たいです』って伝えたらすぐに麻雀実況として使ってくれました。それが、特番の仕事や、RTDリーグのレギュラー実況につながっていきました。事務所に入っていなかったら、実況の仕事もこんなにやっていないかもしれないですし、Mリーグの公式実況もやっていなかったでしょうし、仕事の仕方がガラッと変わりました。メディアに出る仕事が多くなりました」

「アタック25」の優勝をきっかけにクイズにもハマり、YouTubeのクイズ番組「カプリティオチャンネル」にもレギュラー出演するほどだが、そこには、いつも麻雀への思いがあった。

「ベースは麻雀プロなので、麻雀業界が発展したらいいなって気持ちが一番強いんです。『アタック25』とか、『カプリティオチャンネル』とかに出ることによって、麻雀プロとしての自分を知ってもらった結果、麻雀をする人が多くなっていけばいいなと思っています。最近『カプリティオチャンネルを見て、麻雀のルールだけ知っているんですけど、勇気出して、一緒に打ちたくて大会に来ました』という方もいました。そういうことを感じられているので、すごくうれしいですね」

 すべては麻雀の普及という思いを胸に、プロ雀士、麻雀実況、クイズと活躍を続ける松嶋の今後に注目だ。

□松嶋桃、1984年9月16日、愛知県生まれ。京都大学法学部卒。同志社大学法科大学院修了。2010年からプロ雀士(日本プロ麻雀協会所属)として活躍中。麻雀プロリーグ戦「Mリーグ」、「RTDリーグ」など数多くの麻雀実況を務める。「パネルクイズ アタック25」30代女性大会の優勝をきっかけに、クイズ番組にも多数出演。クイズ作家の古川洋平氏らによるYouTubeチャンネル「カプリティオチャンネル」にレギュラー出演中。

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猪俣創平

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