女流雀士・松嶋桃、クイズ「アタック25」優勝で人生一変 原動力は麻雀界の発展

プロ雀士として活躍するだけでなく、Mリーグをはじめとした麻雀実況や、クイズ番組にも多数出演している松嶋桃。マルチに活動する松嶋だがその根底には麻雀への熱い思いがあった。

Mリーグの公式実況を務める松嶋桃だが、始めた当時は手探りだった【写真:ENCOUNT編集部】
Mリーグの公式実況を務める松嶋桃だが、始めた当時は手探りだった【写真:ENCOUNT編集部】

Mリーグにプレーヤーとして「手放しに参加したいと言えなくなって…」

 プロ雀士として活躍するだけでなく、Mリーグをはじめとした麻雀実況や、クイズ番組にも多数出演している松嶋桃。マルチに活動する松嶋だがその根底には麻雀への熱い思いがあった。(取材・文=猪俣創平)

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 プロ雀士になった当初は、現在よりも麻雀のプロ試験を受ける女性の数は少なかった。

「今よりはかなり少ないですけど、ちょうど女流雀士も増え始めたくらいの頃にプロになりました。女流の先輩たちが頑張って女流プロが市民権を得始めたタイミングだったので、結果的にすごくいい時期に入りましたね」

 松嶋は、現在ではMリーグの公式実況としても活躍している。麻雀実況を始めたきっかけは、縁があってオファーを受けたからだった。

 松嶋がプロとなった1年目はちょうど、各団体が麻雀対局の配信を開始したタイミングと重なった。しかし、その配信方法や実況解説といった番組の形は、全くの手探りだった。

「配信のノウハウを持っている人も少ないですし、初めてのことでしたから、みんなが全然分からない状態でした。麻雀もスポーツだから実況と解説を置こうとはなりながら、誰もやったことがなかったんです。私もたまたまスタジオ関係の人と知り合いだったから、『実況やってみませんか?』って言われました」

 初めての麻雀実況を、松嶋はこう振り返った。

「なんの手応えもなかったです。何をしたらいいのか誰も知らないから……。『東の1局、親はだれだれ、ドラは何々です。だれだれが何々をポンしました。だれだれがツモ、南家リーチツモ平和ドラ1、1300―2600のツモアガリです』とかだけ言えばいいからって教えられました」

 そんな手探りで始めた実況だったが、「たまたま機会を与えられたことがよかった」と振り返る。

「ラッキーだったのは誰もやったことがなく、ずっと呼ばれ続けたことなんですよ。『京大卒だし、やってくれるだろう』みたいな期待感もあったと思います。呼ばれ続けるうちに、だんだん慣れていきました。小林未沙ちゃんが私より少し前に麻雀実況をやっていて、それをまねしたり、ちょっとずつ慣れていったのがよかったんじゃないかなと、勝手に思っています(笑)」

 タイミングが重なり、期待に応えていった松嶋。現在では、さまざまな番組や大会で麻雀実況として活動の幅を広げている。Mリーグの公式実況も務めているが、プレーヤーとして参加することへの思いは複雑だ。

「実況として関われば関わるほど、選手の苦労が見えすぎてしまって、手放しに参加したいと言えなくなってきちゃいましたね。もちろん、自分も麻雀プロですし、選んでいただけたら『頑張ります!』という気持ちはあるんですけれど、『めちゃくちゃなりたいです!』というふうにはならなくなってしまいましたね……。それはなりたい、なりたくないというよりは、気持ちの面が大きいですね。たくさんいろんな場面を見てきてしまったので……」

 言葉を慎重に選びながらも続けた。

「選手の中で、Mリーグで明るい面ばかり当たっている人っていないんですよ、やっぱり。相当の覚悟を持って、あと全麻雀プロを背負っているので、その覚悟も考えると、『手放しでなりたいですって言える立場なのか自分は?』と考えると、言えなくなってしまいました」

 Mリーガーへの敬意も示しながら、その過酷な“勝負”の世界を間近で見てきた者ならではの思いも明かした。

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