女子スキージャンプが映画化 空を飛びたい夢に向かう女性たちの奮闘記 監督に聞く
女子スキージャンプを題材にした短編映画「ウィンドガールズ」がこの秋、誕生する。高梨沙羅(クラレ)らの活躍で冬季五輪でも人気競技の1つとなっている女子ジャンプ。元日本代表の山田いずみさん(43)が監修を務め、空を飛びたいという夢に向かって奮闘する女性たちの物語を届ける。本作が2作目の大橋泰之監督(43)に、作品の見どころと6月のクランクインを前にした心境を聞いた。
北海道出身の女優3人が主役 今秋公開予定のコメディー
女子スキージャンプを題材にした短編映画「ウィンドガールズ」がこの秋、誕生する。高梨沙羅(クラレ)らの活躍で冬季五輪でも人気競技の1つとなっている女子ジャンプ。元日本代表の山田いずみさん(43)が監修を務め、空を飛びたいという夢に向かって奮闘する女性たちの物語を届ける。本作が2作目の大橋泰之監督(43)に、作品の見どころと6月のクランクインを前にした心境を聞いた。(取材・文=水沼一夫)
異色の映画が動き出す。大橋監督は「この短編映画は『スキージャンプを身近に』という真剣な願いを込めたコメディー映画です。この映画をきっかけに、ジャンプ台に直接足を運んでもらって、競技の面白さを知ってもらえたら本当にうれしいですし、プラス、本作を見た人の中からもしかしたら、将来世界で活躍するジャンパーがいたらいいな、なんて思っています」と説明。
舞台は夏場に行われるサマージャンプで、「今回の出演者も含めて、いろんな人がサマージャンプのことを知らないんですよね。例えば東京にいらっしゃる人たちも本当、冬しかやっていないですよね? みたいな話が普通に今でも出てきます。『どこに落ちていくんですか』『雪の上だから痛くないですよね』みたいな。実際は人工芝の上なんですけど、そんなところに面白みを感じましたね」と、続けた。
女子ジャンプは、2014年のソチ五輪から採用された新しい競技。日本では高梨がトップ選手としてけん引し、18年の平昌五輪では銅メダルを獲得した。23年~24年シーズンからは年末年始の「ジャンプ週間」女子版の開催も報じられるなど、今後ますます注目を集めることは間違いない。
山田さんは「女子ジャンプのパイオニア」と呼ばれる元選手で、高梨のコーチを務めたこともある。大橋監督も高梨のオフィシャルカメラマンとして国内外の遠征に帯同し、18年には東京・六本木ヒルズで「高梨沙羅写真展」を開催した。2人は高校の同級生で、09年に女子スキージャンプの小冊子「美翔女」を創刊し、約10年にわたり大倉山や宮の森ジャンプ競技場などで配布。長い間、女子ジャンプの普及活動をともにしてきた。
映画は、高校時代につながりのあった3人の女性が、軽食&スナック「K点」でのアルバイトを通じて、これまで縁のなかったスキージャンプという競技に触れ、自分らしい「ジャンプ」を経て、それぞれの「着地」を目指す、笑いあり、涙ありのストーリーだ。
「今、自分の人生を悩んでいる20代の女の子たちがスキージャンプからきっかけを得て、自分の道しるべを見つけていく。実はその3人の出演者ともう1人、コーチ役の40代の人もいるんですよ。その人ももう1回、自分の気持ちを奮い立たせる。若者だけではなくて、大人の皆さんにも“自分のジャンプ”をもう1回してほしいなみたいなことも、ちょっと踏まえています」