【RIZIN】28年間の現役生活を終えた“世界のTK”高阪剛が激白「今後は日本人のヘビー級を底上げしたい」

相性が良かったのはノゲイラ

――だとしたら10年、15年後かもしれないですけど、とくに日本の格闘技界の場合、いろんなジャンルの枠に収まりきれなかった方、言い方をかえれば、大相撲にしろ、柔道にしろ、いろんな意味でやらかした人が集まる世界なのかなあと思ったりもするんです。
「まあね。でもそれは一個の考え方ですね。というのは、さっき言った、『NO HOLDS BARRED』っていうのが『くくりのない闘い』なので、いろんな人にチャンスがあるし、可能性がある格闘技だなあと思っているんですよね。いろんな扉を開いて、取り組んでみてから考えようよみたいなほうがいいなあと思っているんですよね」

――先日の試合の話を聞かせてほしいんですけど、引退していくTKと、これがデビュー戦の上田幹雄と考えると、俺を受け継げよじゃないけど、そういう気持ちもあったと思うんですよ。
「いや、そんなのは全然ないですよ」

――え? じゃあ、デビュー戦だろうと、ぶっ壊してやろうと思って行っているんですか?
「目の前で試合をやっているんだから、そんな(甘い)気持ちはないですよ。そんなのがあったら逆に失礼ですよね。自分が思う総合っていうのは、いつも収めている刀を唯一抜いていい場所だと思っているんですよね」

――真剣で斬り合うと。
「そうです。お互いに真剣を抜いて斬り合う場所だし、自分がリングに上がったときに、上田くんがそういう目をしていたので。あ、抜いているなって。それだけで自分はうれしかったというか。言葉にするのは難しいんですけど、それでやり合うっていうのが自分は居心地がいいんですよね。過去には、やり合う気がない相手とも何試合かしたことがあるんですけど、そうなると、もうちょっと気持ちを作ってこいよっていうところもあったりしたんですよね」

――試合後には「次にやったら分からない」と話していました。
「もちろん上田くんのポテンシャルを感じたからっていうのもあるんですけど、その言葉の真意は、試合っていうのは生モノなので、あの日あの時間あのタイミングで起こったことが全てだと思うんですよ」

――以前、TKから、「MMAはいろんな側面があるから、毎回、結果が変わる」のようなことを聞いたことがあるんですけど、一度負けたら苦手意識が出たりしないんですか?
「その可能性よりも相性が関係してくるかもしれないですね。強い選手だと、よりそういうものが起こり得る」

――となると相性が良かった相手は?
「やっていてハマると思ったのはアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラですね(2000年8月)。兄貴のほうのノゲイラ。リングス時代にKOKルールでやったんですけど、そのときにノゲイラはもう実績もあったし、強いし、いい選手でしたね。

――相性がいいというのはどういう感覚なんですか?
「当時、自分は海外を拠点にしていましたけど、その時点でノゲイラの情報がすごく入ってきていて。肌を合わしてみたら、距離の感じとか組んだときのバランスの感覚とか、これは合うしイケるなって感覚があったんですね。でも、自分にとってよく感じたってことは、相手にとって悪く感じたかもしれないですけどね」

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