石丸幹二「50を過ぎたので、結婚はもういい」 水谷豊監督作で“二枚目半”独身社長を熱演

「台本に向き合う時間は孤独」と明かした石丸幹二【写真:荒川祐史】
「台本に向き合う時間は孤独」と明かした石丸幹二【写真:荒川祐史】

「日本に入ってきた復刻版を偶然手に入れたんです」

 劇中のいぶし銀のサックスは自前。いくつもあるコレクションの一つ。「セルマーというフランスのブランドです。世界でも、そんなに数は作っていないのですが、日本に入ってきた復刻版を偶然手に入れたんです。中古だから悪いというわけではなく、ビンテージ物は色味、音色がよかったりするんですよ」

 石丸は東京音大でサックス、東京芸大で声楽を学んだ音楽エリート。楽団員を演じた俳優陣をどのように見ていたのか。「皆さん、初めて楽器に触れたとかおっしゃっていたのですが、コロナで撮影が止まっている期間に猛練習されたのか、自分のものにしていらっしゃいました。チェロ奏者役の原田さんは、チェロを弾いていた僕から見てもちゃんとチェリストのフォームになっているし、出ている音もすごくすてきでした」。

 鶴間同様、石丸自身も独身だが、「僕はもう50を過ぎたので、結婚はもういいです。1人は気楽だし、1人でやりたいことが多すぎるんです。俳優って、台本に向き合う時間って、孤独なんです。僕には、この時間がたくさん必要なんじゃないかな。人間、最期は1人ですしね」と語る。

 休みがあれば、車でふらり遠出をするのが楽しみ。「目的を決めずにフラッと気の向くままクルマを走らせ、なんなら泊まってきたり。車は好きで、3年くらいで違うタイプの車に乗り換えています」という。

 アマチュア楽団が直面する危機にはコロナ禍の今に重なる部分もある。「苦難に立ち向かった時に、どのように乗り越えようとするか、という点は共通していますよね。どんなことがあっても、ポジティブでいることが大切『僕たちもこういうふうにしてみよう』と思える一つの例になるんじゃないかな」。

 今は7月8日開幕の舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」のけいこ真っ最中。藤原竜也と向井理とのトリプルキャストで、大人になったハリーを演じる。「三人三様です。お互いに影響を受け合いながら、それぞれの個性を出していければと話しています」。遠出のドライブはしばらくお預けかもしれない。

スタイリスト:土田拓郎
ヘアメイク:中島康平
衣装:ジャケット、パンツ(ともにデザインワークス/デザインワークス銀座店)その他スタイリスト私物

□石丸幹二(いしまる・かんじ)1965年8月15日、愛媛県生まれ。東京音楽大でサックス、東京芸術大で声楽を学ぶ。1990年、「オペラ座の怪人」でデビュー。以降2007年まで劇団四季在籍。「美女と野獣」「ジキル&ハイド」等のミュージカルから、「ハムレット」「GGR グレンギャリー・グレン・ロス」などのストレートプレイに主演。映像や音楽分野でも幅広く活動し、「題名のない音楽会」、「健康カプセル!ゲンキの時間」の司会を務める。

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