革新的な企画の連続で毎週視聴者を“カオスな世界”に誘う「ここにタイトルを入力」。全6回の放送も残すところ16日深夜の最終回のみとなった。この番組を手掛けるのが、フジテレビ入社3年目の原田和実ディレクターだ。そんな原田Dにこれまでの撮影や企画の裏側を振り返ってもらった。（取材・文＝中村彰洋）

　深夜のチャレンジ枠「水曜NEXT！」の企画募集に採用され、2021年に2週にわたり放送されたことが始まりだった。当時もそのぶっ飛んだ内容に視聴者はド肝を抜かれたが、それが入社2年目（現在は3年目）の若手Dが企画していたことでも話題となった。

「元々フォーマットを崩す、テンプレートを崩して再構築するという遊びが好きだったので、この番組が実は1番やりたかったことでした。それをやるためにテレビ局に入社したという部分もあったので、こんなに早くできるとは夢にも思っていなかったです」

　遊び心あふれる仕掛けが満載の同番組。中村俊介や美川憲一、伊集院光といった企画内容と釣り合わない“むだ遣い”とも思える豪華なキャスティングも面白さの1つだが、「提案する分にはタダなので、とにかく提案してみました。実現したのはひとえにプロデューサーのご尽力のおかげです」と笑う。タレントに出演交渉したプロデューサーからは「番組を説明するのが難しすぎて伝わらん」というクレームを受けたことも。しかし、回を追うごとに業界内での認知度も上がり、第6回では“逆オファー”での出演も実現したと明かす。

　また、出演者が収録後に「こんなにオンエアが楽しみな番組はない」と感想を口にするようで、「楽しく参加していただけている」と手応えも感じている。

　そんな同番組だが、細かく緻密に計算された笑いを提供していることもポイントの1つ。中でも原田Dは第2回として放送された人気YouTuberフワちゃんによる浅草ロケ「フワちゃんの浅草のんびりツアー」のロケ回が「とんでもなくカロリーが高かった」と振り返った。

　同放送回では、フワちゃんの浅草ロケの映像データが無くなったという“テイ”で番組が進行。ロケ映像は街中の監視カメラ映像やさまざまな映り込み、紙芝居などで代用するというものだった。

「下見にめちゃめちゃ行きました。監視カメラといっても番組が仕掛けているので、この角度から狙ってとか、ボケと場所の組み合わせだったりを全部細かく計算して、緻密に積み上げていきました」