今年も女子部門旋風なるか プロレス界最大のイベントWWE「レッスルマニア36」直前解説

WWEが開催するプロレス界年間最大の祭典4月5日「レッスルマニア36」まであと1か月。そのビッグマッチを直前に控え、3月8日にペンシルベニア州フィラデルフィアにて「エリミネーション・チェンバー」を開催。この日の結果を受け「レッスルマニア36」の注目対戦カードが続々と決定した。

女子チェンバー戦に参戦したシェイナ・ベイズラー (C)2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.
女子チェンバー戦に参戦したシェイナ・ベイズラー (C)2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.

「レッスルマニア」直前のビッグマッチも女子部門がメインを飾る

 WWEが開催するプロレス界年間最大の祭典4月5日「レッスルマニア36(WM36)」まであと1か月。そのビッグマッチを直前に控え、3月8日にペンシルベニア州フィラデルフィアにて「エリミネーション・チェンバー」を開催。この日の結果を受け「WM36」の注目対戦カードが続々と決定した。

「エリミネーション・チェンバー」とは、「ロイヤルランブル」同様に試合形式を表わすPPVイベントのことである。チェンバー戦はドーム型のチェーン製金網がリングを覆うケージマッチで、6人、あるいは6チームが時間差入場で闘い、敗れた者が退場するルールになっている。最初は1(組)対1(組)で始まり、ほかの4人(4組)は四方に設置されたポッド(格納器)内で待機。5分経過ごとにランダムでドアが開放され、金網内での闘いに加わっていくことになる。よって、最初に戦う者は当然不利を強いられ、登場順が遅いほどアドバンテージの高いゲーム性も加味されることとなる。

 試合形式がPPVの名称にもなったこのイベントは、2010年にスタートした。よって今回は記念すべき10回目。今年のチェンバー戦はスマックダウン(SD)タッグ王座戦と、ロウ女子王座挑戦者決定戦の2試合。女子のチェンバー戦がおこなわれるのは18年のロウ女子王座戦2回目で、メインに組まれたのは今回が初めてだ。が、昨年の祭典をきっかけに、”カブキ・ウォリアーズ”のアスカ&カイリ・セインも昨年のビッグマッチ(20年12月15日「TLC」)でメインを張った。PPVで女子がメインを飾るのは、もはやなんの違和感もない光景となっている。

 女子チェンバー戦はベッキー・リンチが保持するロウ女子王座への挑戦者を決める戦いで、勝者は「WM36」に駒を進めることとなる。金網に入ったのは、現女子タッグ王者のアスカ、ナタリア、ルビー・ライオット、リブ・モーガン、サラ・ローガン、シェイナ・ベイズラーの6人。旧ライオットスクワッド(ライオット、モーガン、ローガン)の遺恨対決もあったが、今回の注目はベイズラーの参戦に集まっていたと言っても過言ではないだろう。NXT女子王座を2度獲得しメインロースター入りしたベイズラーは、1月26日「ロイヤルランブル」における女子ランブル戦の最後(30番目)に登場、怒濤の7人抜きを含む計8人を脱落させ、大観衆の度肝を抜いた。結果的にはシャーロット・フレアーに敗れたものの、男子ランブル戦を制したドリュー・マッキンタイアと並ぶインパクトを残してみせたのだ。

 ベイズラーが狙うのは「WM36」でのベッキー戦に他ならない。やはりベイズラーはランブル戦での勢いそのままに次々と女子スーパースターを脱落させていった。4番目にリングインすると、ローガン、ライオット、ナタリアを次々失格させていく。次に入場のモーガンもシングルマッチ状態で下すと、ベイズラーは再び入場者を待つことに。最後に解き放たれたのはアスカだった。が、アスカロックを切り返すと”キリフダクラッチ(スリーパー)”へ。徐々にアスカの動きが鈍くなり、最後はベイズラーが”未来の女帝”を絞め落とす衝撃の結末。トータル時間は21分30秒ほどだが、次期入場者を待つこと2回でどちらも相当の時間があった。さらにベイズラーとアスカの対戦は約3分。これまでの実績からしても、アスカが短時間で敗れた衝撃は大きい。しかもベイズラーは相手の5人すべてをキリフダクラッチで破ってみせたのだ。この圧勝により、ベイズラーは「WM36」に進出、ベッキーとのタイトル戦が確定した。

 ベイズラーにとってチェンバー戦は初めての経験だった。が、「私はケージファイター」と戦前からうそぶき、その表情には余裕さえ浮かべていた。実際、ベイズラーは総合格闘技MMAの世界からプロレス転向、日本ではスターダムのリングに上がっている。

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