藤波辰爾「危なかった。ギリギリ」 コロナ感染で綱渡りの大会 高熱で動けず
「久々にジュニアに近づいてきた」
第3試合後、再びリングに上がった藤波は、頸髄損傷で入院中の大谷晋二郎への支援を訴えた。大谷は新日本入門前に、藤波にプロレス入りを直訴した“幻のドラゴンボンバーズ練習生”。特別な感情を抱いている。「大谷選手が今、一生懸命闘っております。彼が1日も早く復帰できるよう、今いろんな形で各団体が募金を募っています。どうぞ皆さん、ご協力ください」。会場は大きな拍手に包まれた。
そして迎えたメインイベント。解説席に座っていた藤波は挑発を受けてみたびリングに上がると、鷹木信悟、高橋ヒロムをビンタで蹴散らし、長井満也にはドラゴンスクリューを発射。棚橋がハイフライフローで長井を押さえると、レフェリーとともにカウントをたたいて勝利をアシストした。
試合後、リングから降りようとした棚橋を引き留め、「12・1代々木が決まっているし、久々、シングルやるかな」と宣言。名指しはしなくとも、リングにいるのは藤波と棚橋の2人だけ。藤波の思いをくみ取った棚橋は「勝手ですけど、気持ちは受け取りました」と応じ、師弟による一騎打ちが浮上した。
「藤波さんは俺の永遠のアイドル」「藤波さんのジュニア時代を超えるようなバキバキの体で帰ってきます」
棚橋の熱い言葉に、藤波もコンディションを万全に整えることを誓った。コロナ感染により、藤波の体重は102キロまで降下。欠場は痛恨だったが、減らそうと思っていてもなかなか落ちなかった体重がストンと落ち、「久々にジュニアに近づいてきた」と前向きに捉えた。
大会を振り返った藤波は「危なかった。ギリギリ。準備だけは電話やリモートでしていたけど、もう少し感染が遅かったら大会ができなかった」とホッとしつつ、選手たちの奮闘ぶりを評価。「いい大会だったでしょ。お客さんがすごい沸いていた。みんなよかった」と称えた。