藤波辰爾「危なかった。ギリギリ」 コロナ感染で綱渡りの大会 高熱で動けず

藤波辰爾(68)のデビュー50周年記念大会(12日、東京・後楽園ホール)は新型コロナウイルス感染による藤波の欠場の影響をいい意味で裏切る大会となった。藤波自身もメインイベントに乱入し、ドラゴンスクリューを発射。12・1代々木第二体育館大会では新日本プロレスの棚橋弘至との一騎打ちが浮上した。

会場の空気を吸い込むポーズを見せた藤波辰爾【写真:ENCOUNT編集部】
会場の空気を吸い込むポーズを見せた藤波辰爾【写真:ENCOUNT編集部】

10日間の完全自宅療養 体重6キロ減

 藤波辰爾(68)のデビュー50周年記念大会(12日、東京・後楽園ホール)は新型コロナウイルス感染による藤波の欠場の影響をいい意味で裏切る大会となった。藤波自身もメインイベントに乱入し、ドラゴンスクリューを発射。12・1代々木第二体育館大会では新日本プロレスの棚橋弘至との一騎打ちが浮上した。(取材・文=水沼一夫)

 記念大会の対戦カードに主役が不在という緊急事態で迎えた後楽園大会。

 すでに陽性判定から2週間以上がたち、隔離期間が終了している藤波は、第1試合前にリングに上がると両手を広げて会場の空気を吸い込むポーズを見せる。そして「一番大事な大会を欠場するのは非常に残念な思いです。一生懸命コンディションを整えてまいりましたが、会社、いろんなスタッフとの協議の結果、やむなく本日は欠場することになりました。どうぞお許しください」と欠場をわびた。

 異変が襲ったのは4月の最終週。都内の自宅で熱を測ると39度台で、意識ももうろうとしたため、病院に向かった。当初はコロナ感染ではなく、蜂窩織炎の再発を疑っていたという。藤波は昨年10月、蜂窩織炎で約2週間入院している。

 PCR検査を受け、陽性と分かったのは翌日だった。入院はせず、10日間にわたり自宅で完全療養した。一時は39.7度まで上昇した高熱は下がったものの、食欲はほとんどなく、「おかゆと梅干を食べれても1日2回。それが精一杯。1週間ぐらいたったときにお腹がすいてきて、友達が送ってきた肉まんにかぶりついていました」(伽織夫人)。もちろん、トレーニングもできず、映画を見るなどして安静していた。体重は6キロも減った。

 出場を止めたのは、息子のLEONAやスタッフだった。同じく感染したLEONAは試合に出場したが、年齢が違う。2015年に脊柱管狭窄症で手術した際にはたった1か月で復帰し、医師をあ然とさせた藤波も、今回ばかりは周囲の判断に従った。

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