24年大河主演に吉高由里子が抜てきされた理由 脚本・大石静氏が絶賛した“二面性”
NHKは11日、2024年放送予定の大河ドラマの制作発表を行った。紫式部を主人公とする「光る君へ」(作者・大石静)に決まり、女優の吉高由里子が主演を務めることを発表した。
吉高由里子「『大河ドラマ主役が夢だ』と恐れ多くて言えないくらい」
NHKは11日、2024年放送予定の大河ドラマの制作発表を行った。紫式部を主人公とする「光る君へ」(作者・大石静)に決まり、女優の吉高由里子が主演を務めることを発表した。
女性が主役の大河ドラマは56作目の17年「おんな城主 直虎」(柴咲コウ)以来。今作は、「源氏物語」を書き上げた紫式部を主人公に、菅原道長とのかかわりや、平安時代の貴族たちの権力闘争なども描かれる。吉高が大河ドラマに出演するのは08年「篤姫」以来2作目で、大石氏が大河ドラマを手がけるのは06年「功名が辻」以来2作目。
制作統括、いわゆる“チーフプロデューサー”は内田ゆき氏で、この日行われた制作発表には主演の吉高、脚本の大石氏と女性が3人並んだ。「源氏物語」に登場する光源氏のモデルの1人ともされ、紫式部と深いかかわりを持ち、物語の鍵を握る藤原道長が登場することは明かされているが、資料にも「変わりゆく世を自らの才能と努力で生き抜いた女性の愛の物語」とあり、女性が主人公であることを全面に打ち出している。
内田氏はこの日行われた取材会の中で「この作品を担当することが決まってから、私が紫式部を選んだ」と明かしており、「歴史上の人物で(ほかにも)女性はいるけど、一択だった。紫式部に惹かれるものが大きかった」と話した。
また、脚本を大石氏に託した理由については「“生きていく女性”の悩みや幸せを、その時代の視聴者がすっと心を寄せて見られるような脚本をオリジナルでつねに書いていらっしゃること」とし、「平安時代の紫式部や藤原道長、周りの人たちの心の動きを、今の人たちが楽しく見られるものにするには大石さんのお力は欠かせない」と絶大な期待を寄せた。
その大石氏に指名され、主役に内定した吉高。大石氏は「『知らなくていいコト』(日本テレビ系)でご一緒して、控えめな感じと奔放な感じ、頼りない感じとすごく意思がある感じが1人の中にものすごく同居していて、珍しいなと。女優さんは1つの色になる方が多いけど、そういう感じがころころといろんな顔になるところが本当にすてきだなと思って、またご一緒したいなと思っていた」と吉高を主人公に推した経緯を明かし、「企画が示されたときに、吉高さんに引き受けてもらいたいと思いました」と笑顔を見せた。
吉高は14年に「花子とアン」で連続テレビ小説のヒロインを演じており、それから10年の節目となる24年の大河ドラマで主演に。「『大河ドラマの主役をやるのが夢だ』と恐れ多くて言えないくらい、関わらないものだと思っていた」という吉高。「ここ(会見場)に座らされて、何をしゃべっていいのかもわからない」と吉高らしくいたずらっぽい笑顔を見せながらも「女性がテーマでスタッフさんも女性の方が多い。(舞台となる平安時代は)男の人の社会で動いていたかもしれないけど、女の人に光が差す内容をやっていく上で、たくさんの人に共感していただける主人公を表現したい」と気合たっぷりだ。
タイトルの「光る君へ」には2つの意味が込められている。紫式部が自ら生み出した光る君=光源氏が主人公の「源氏物語」への思い、そして、そのモデルの1人になったと言われる藤原道長への深くつきることのない思いだと言う。戦乱の時代をたくましく生きる男性が主人公の物語が続いていた大河ドラマ。平安時代の宮中が舞台になれば、色鮮やかな十二単も多数登場することになるだろう。新鮮で、しなやかな、かつ芯のあるドラマを期待したい。