【週末は女子プロレス#47】“筋肉アイドル”才木玲佳の誕生秘話「驚かれるのが快感」 “筋肉卒業”を決めたワケ
胸に響いたカズ・ハヤシからの金言
プロレスと芸能を両立させていた才木は、さらにこんなことを意識しながらリングに上がっていたという。
「私が理想としていたプロレスラーって、やっぱりカッコよさですね。女性なんだけど、かわいいよりカッコいいレスラーになりたかったです。というのも、カズ・ハヤシ選手から『異性よりも同性に好かれるレスラーになれ』との教えをいただいて、女の人にもカッコいいと言ってもらえるよう意識していました。技や身体づくりもそうですし、立ち振る舞いも意識していましたね。アイドル活動ではかわいい私で、プロレスラーのときはカッコよさを見せたい。そうやって分けてやっていたつもりです」
アイドル、プロレス、さらにトレーニングの分野でも活躍した才木だが、19年8月、アクトレスガールズでの試合でアゴを骨折。以後欠場となり、筋肉アイドルの芸能活動を続けながらも、結果的にはこれが最後の試合となってしまった。
「アゴに入れていたプレートを抜いたら復帰しようと思っていたんです。ただ、この骨折が思っていた以上にトラウマになってしまって。その間にレギュラーで頂いてるお仕事もあったりして、タイミングといいますか、ここがもう引き際なのかなという判断をしました」
そして、「筋肉との方向性を感じた」との名セリフ(?)とともに3月をもっての筋肉卒業を発表、プロレス活動も5・3後楽園でのセレモニーをもって終了する。
「筋肉をもっと大きくして筋肉で売っていくというのが(筋肉アイドルの)方向性だと思うんですよ。でも、私としてはほかの部分も見てほしいし、筋肉だけのイメージにはなりたくないと思ったんです。新しい分野の開拓のためにも私はこっちの道に行きますというのが“方向性の違い”の意味ですね。もっと幅を広げたいということなんです」
ひとつを極めると次に行ってみたいタイプだと言って笑う才木。チャレンジ精神旺盛だからこそ、プロレスにも出会えたのだ。今後も芸能活動を続けながら、新しい可能性に挑戦していくつもりだ。
「筋肉ですか? いま筋トレもしてないし、ジムにも行ってないです。でも、ランニングとか運動はしていますよ。筋肉卒業といっても筋肉そのものとは一生付き合っていくものじゃないですか。トレーニングの頻度と強度が変わってくるんだと思います。いままでのような筋肉をつけるものではなく、健康維持のためですね」
では、彼女にとってプロレスとはなんだったのだろうか。
「一言では言えないけど、間違いなく今の才木玲佳を作ってくれたものです。筋肉アイドルだけではここにはいないし、プロレスがあったからいまがある。プロレスって誰もができることじゃないですよね、実際にやってみてプロレスラーの大変さ、すごさを感じさせてもらいました。ホントに稀有な体験で、稀有な人生にさせてくれたものだと思います」
その思いを胸に、5月3日には最後のリングに上がる。
「(プロレス)復帰は東京女子と決めてました。復帰はかなわなかったけど、ケガで動けない間も支援をしてくれて、ホントに愛を感じる団体です。なので、最後のリングが東京女子というのはホントにうれしい、ありがたいなって思います。このところ東京女子ってホントに後楽園大会が増えましたよね。大田区とか両国とか、さらに大きいところでも試合をしているし、私もホントに、この成長がうれしいです!」