「レフェリー利用は完全に反則」 秋山準の指摘に高梨将弘は馬耳東風「ここはDDTのリング」

「生粋のDDTファイター」高梨将弘が「賢人」秋山準の説法を「言うことはわかる。でも、ここはDDTのリングなんだ」とクールに反論した。

DDTの20年に自信とプライドを持つ高梨将弘【写真:柴田惣一】
DDTの20年に自信とプライドを持つ高梨将弘【写真:柴田惣一】

5・1、KO-Dタッグ王座戦

「生粋のDDTファイター」高梨将弘が「賢人」秋山準の説法を「言うことはわかる。でも、ここはDDTのリングなんだ」とクールに反論した。

 高梨はクリス・ブルックスとのCDKでKO-Dタッグ王座を保持。5月1日、神奈川・横浜武道館大会で、秋山は岡田佑介を従え挑戦してくる。レフェリーを巧みに利用して、勝利を重ねるCDKに「レフェリーは中立な立場。一見さんが見たら一方の味方をしているように感じてしまいかねない。そういうことはやっちゃダメだろ。完全に反則だから」と秋山は語気を荒くしている。

 なおも「DDTにはいろんなベルトがある。それぞれ面白いことをしてもいい。でも『KO‐D=King of DDT』でしょ? そのシングルとタッグは団体の象徴。ビシッと締められる人が王者にふさわしい」と詰め寄ってきた。

 ズバリ「CDKはタッグ王者にふさわしくない」と言いたげな秋山を、高梨は「あの方のレスラー人生は素晴らしい。全日本プロレスやノア、メジャー団体で積み上げてきたモノに、誰も文句はつけられない。秋山さんがDDTに来てから、DDTの発信力が上がったことは間違いない事実」と尊敬の念を抱いている。

 ただし、DDTで20年、闘い抜いてきた高梨にも「インディーズの誇り」がある。ディーノの男色殺法、ポイズン澤田JULIEの呪文、タノムサク鳥羽のグローブ……DDTには様々な技が存在し、ファンを楽しませてきた。

 加えて路上、公園、遊園地など、その戦場は四角いリングだけではない。「ロープもリングもないバトルフィールドで、どんなファイトができるのか。僕たちは頭をひねり、実践してきた」とキッパリ。枠組みを広げ、他の団体にはないプロレスに挑み続けるDDTの文化系プロレスに胸を張る。「僕たちには僕たちの志、魂がある」と力強い。

 秋山のいう「反則論」を認めるが、異論もある。「最後にベルトが残っていることが一番、大切なこと。反則でもリングアウトでも勝ちは勝ち。そのためには、あらゆる手段を講じる。僕の言っていること、おかしいですか? あの方を反則にいざなうことだって、できる。僕たちの反則勝ちもあり得る」と、マシンガントークのスピードがいよいよ上がってきた。

 高梨は現在、マットプロレスを生配信するチョコレート・プロレスの現場監督も務めている。「こっちでも、色々とこれまでになかった試みもしている」と声を弾ませる。プロレスの新たな可能性を追求しているようだ。

次のページへ (2/2) 秋山の意気込み「俺はこれまでやってきたことを表現するしかない」
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