元柔道金メダリストで現K-1“異端の格闘家”石井慧が「THE MATCHには出ない」と断言するワケ
石井慧は「座敷童」、その真意とは
――例えばの話、那須川天心VS武尊戦のアンダーカードで試合が組まれる話があったとしても、そこには興味がない!?
「そんなことを言える立場ではないですけど、全然。でも、そこには出ないですね。僕はあくまで『K-1』だけで。あのいい雰囲気の中で試合をするっていうのが、一番気持ちいいですね。それだけK-1には感謝しているんですよ。ここまで自由にやらせてくれているし、新参者の僕に居場所を与えてくれているので、立ち技に関しては『K-1』以外ではやる気はないですね」
――実際、K-1の雰囲気は?
「いいですよ。若い子も多いじゃないですか。僕が一番年上くらいで。あ、それと僕って座敷童なんですよ。僕が出ていくところはよくなるっていうか」
――その言葉、IGFに石井さんが出た時に聞いたことがあります。
「言ってたでしょ? 柔道時代もそうですよ。国士舘でも。IGFでも僕がいる時に大きくなったじゃないですか」
――今回、「HEAT44」でのMMA戦は何がテーマですか?
「自分の練習してきた、培ったことを出して勝つ試合です」
――それはKOするとか、何分で勝つ、とかそういうことではない?
「そうじゃなくて、僕がしっかり練習をしてきたことが試合で出せて、見ている人に『石井は成長した、強くなった。こんあこともできるようになったんだな』とか。そういうことを思わせる試合ですかね」
――なるほど。
「練習って積み重ねじゃないですか。昨日できなかったことが今日できるようになる。それを試合でちゃんと出せてこそ、できるってことなので、そういうことですよね。新しいことって、試合のなかでやれるだけでも勇気が入りますからね」
――今回は、これだっていうような、自分から見せつけるようなものはありますかね?
「そういうのはないんですけど、応援してもらえるような。見ていて応援したくなるような試合がしたいですね」
――石井さんは過去に自分を「Mr.コンプレックス」と呼ばれていましたけど、五輪で金メダルを取るような人がそんな発言をすること自体が面白いなあって思っていたんです。
「みんな多かれ少なかれ、コンプレックスは持っていると思うんです。みんなエゴもあるし。ただそれをどうコントロールするか。エゴがあってコンプレックスがあって、それをコントロールできなかったら、単なるどうしょうもないようなヤツになってしまうから、コントロールして力に変えるかが大切だと思っていますね」