“いぶし銀”木戸修氏の優雅なセカンドライフ 娘の結婚にも言及「孫の顔見たい、はない」
今のプロレスは「みんなそれぞれ、頑張っているから良いんじゃないか」
――新日本プロレス道場近くの理容店に、木戸さんの写真が飾ってありましたね。
「ええ! そうなのか。俺は知らなかったよ」
――木戸さんと新倉(史祐)さんの写真もありましたね。
「新倉か。ああ、なつかしいな。何をやっているんだろう。いい意味で、ちょっとお調子者だったな。以前は、たまに電話くれたんだけど」
――彼も若々しく、現役時代と見た目、変わりませんよ。お兄さんの会社を手伝っているんじゃないですかね。飲食業の再開も準備しているようです。
「コロナでいろいろ大変だろうけど、頑張ってほしいよな」
――そうそう、昔は巡業で旅館に泊まることもあったじゃないですか。木戸さんと同室になったことがある田中ケロ・リングアナウンサーが「木戸さんは、到着するなり、着替えや洗面道具をきちんと揃えて並べていた。几帳面な人で整理整頓が見事だった」と振り返っていました。
「そうだったかな。俺はキチッと、ちゃんとしてないとイヤなんだよ」
――ケロちゃんは「永源(遥)さんは、逆に気にしなかった。部屋につくや、全裸になっていた」と。
「ハハハ、そうだな。そうだった。みんな、個性があって面白かったよな。永源さんも亡くなったんだよな。(ドン・)荒川さんもか? みんなクセ者ばかりだったけど、人に迷惑をかけなければ、好きなようにやればいいんだ」
――今のプロレス界について、どう思いますか?
「みんなそれぞれ、頑張っているから良いんじゃないか。時代も変わったしな。誰を尊敬するかは、その人が自分で決めればいいこと。どんなスタイルを目指すかも、人それぞれ違っていい。とにかく、みんなで盛り上げていってほしいよ」
まさに泰然自若。どっしりと構えた木戸修氏からは、己の生き方を貫いている自信が伝わってくる。木戸氏を悪く言う人も一切いない。どこからか、美空ひばりの名曲「川の流れのように」が聞こえてきた気がした。