【週末は女子プロレス#46】料理動画でバズった世志琥が長期欠場乗り越え復活したワケ 体型もスリムに激変
復帰戦は「いろんな感情がごちゃ混ぜでした」
そんななか、団体創始者の高橋奈七永がシードリング退団を発表した。奈七永が旗揚げしたからこそ、世志琥はプロレスに復帰できた。奈七永は世志琥にとって恩人だ。
「余計に焦りましたよ。でも、焦って無理に復帰しようとの考えはなかったです」と言う世志琥だが、奈七永ラストマッチとなる昨年12・29後楽園ホールで突如復帰。まさかのサプライズ登場で、10か月ぶりにリングへ戻ってきたのである(山下りな&青木いつ希&X=世志琥組VS中森華子&藤本つかさ&赤井沙希組)。
「(奈七永の)退団前にもう一度シードリングのリングで一緒に立ちたいとの気持ちが大きくなったし、復帰の目標ができた感じもしました。自分も行けるなって確信したので(復帰できた)」
奈七永退団の衝撃が世志琥復帰への後押しになったのも事実。ただ、1試合のみでその後再び欠場では意味がない。世志琥は自信をもってリングに帰ってきた。その後もずっと継続参戦していることが、復活の証明。すっかりスリムになった体型も思惑通りだという。
「大丈夫?みたいに言われるときもあるけど、見てもらえばわかりますよ!」
自信満々の世志琥。その動きはシードリングならではのハイスピードマッチにも適応できそうなほどだ。かつての姿、とくに世IV虎時代を知るものには違和感がないでもないが、これもまた彼女が見る者に与える驚きであり、進化の過程ととらえられるのだ。
「(復帰戦は)不安もドキドキもワクワクも全部ある感じで、いろんな感情がごちゃ混ぜでした。変わったところを自分でも見せたいと思ってたし、実際に試合をしてみて、やっぱりプロレスって最高だなって思いましたね!」
シードリングは4月29日、新体制となって初めての後楽園ホール大会を迎える。世志琥は水波綾と組んで真琴&朱崇花組が保持するビヨンド・ザ・シー・タッグ王座に挑戦。もちろん、復帰してからは初めてのタイトルマッチだ。4・13新木場での前哨戦(世志琥&水波&川畑梨瑚組VS真琴&朱崇花&海樹リコ組)では世志琥が朱崇花から直接ピンフォールを奪い、4度目の王座奪取に向けて弾みをつけた。前ビヨンド・ザ・シー・シングル王者の水波とは初のコンビ結成だが、かなりの爆発力が期待できるチームである。
「ホント、不安とかなくて、すごく気合が入ってます。新生シードリングをドドンと見せたいし、大丈夫だよって伝えたい。後楽園ってプロレスの聖地だし、お客さんも選手たちも自分も安心できる大会にしたいと思ってますね。シードリング、ぶちかましていけるぞってところをみんなに見せますよ!」
現在のシードリングは所属選手が世志琥のほか、中島安里紗、海樹リコの3人で厳しい状況が続いている。それでも女子プロ界を代表するフリー選手や他団体からさまざまなタイプのレスラー参戦もあり、リング上では熱い闘いが繰り広げられる。4・29以降も、年内には8月17日、10月19日、12月28日の後楽園大会が決定済み。これからも、世志琥のシードリングは攻めの姿勢を見せていくつもりだ。
「ここはかなりのチャンスじゃないかなと思ってますね。次の後楽園でタッグのベルトを取って、シードリングを背負ってやっていくぞというところを見せたいし、シードリングを大きくしていきたい。そのためにも自分だけじゃなく、女子プロレスというコンテンツをもっと広く知ってもらうためにどんどん露出させていきたいですね」
自身はもちろん、シードリング、女子プロレスをさらにバズらせることが彼女の狙い。これからも“女子プロレスラー世志琥”がいろいろと驚かせてくれそうだ。