【週末は女子プロレス#45】“ギャルレスラー”小橋マリカが誕生した理由 プロレス卒業前に明かした“使命感”
プロレス休業の間に“ギャル”へ変貌…
いざ練習を始めてはみたものの、当然つらい。
「やめたいって速攻思いましたよ。でも、やるって言っちゃったし、小林さんにもレスラーになると言っちゃってたので、とにかくデビューするまではやめちゃダメだって、根性で続けてましたね」
13歳となればもちろん最年少で、実際にこの年齢で入門してくる練習生はほとんどいない。もっとも近くて18歳。彼女は年上のお姉さんたちにどう接していいのか分からない。その寂しさも、練習をやめたいと思わせる一因になっていたという。それでもなんとか乗り越え、2016年1・4後楽園ホールでデビューを果たす。
「デビューしてからも、やめたかったです(苦笑)。でも、子どもながらにデビュー戦だけでやめるのはさすがにヤバいっしょと思って、なんとか1年はやろうと考えました。1年頑張ったら、あと半年。半年頑張ったら、また半年。やめようと決心しても、まだ小林さんと試合してないし、ちょっとでもいいことがあるとイヤなこと忘れてプロレスって楽しいってなるんですよ。それでモチベーションを戻してって感じの繰り返しでしたね」
試合に迷っていた頃の18年2・18新木場で、沙希様とシングルで対戦する機会があった。もうひとつの団体とは別の顔を持つNEO美威獅鬼軍の沙希様を相手に、小橋は「自分の出し方を分かったみたいな感覚がありました」という。「プロレスラーとして私をどう表現すればいいかが全部解決された試合です」と自信をつかみ、3か月後、才木令佳とのコンビでインターナショナルプリンセス王座を奪取。彼女にとって初めてのタイトルだった。
翌年5月以降、小橋は大学受験のためプロレス休業に入る。が、9月には幸いにも進路が決まり、自由に使える時間を思いがけず手に入れることができた。
「9月から3月までの間、今までしてこなかった分、全力で青春しようと思って、初めて文化祭に参加したり、いろいろ学校行事も楽しんで人生を謳歌した結果、気づいたらギャルになってました(笑)」
大学生としてプロレスにも戻ってきた小橋は、すっかりギャル系になっていた。しかも、ギャル仲間からも尊敬される存在としてだ。
「eggってギャル界のトップじゃないですか。私は(モデルという)武器を手に入れたわけですよ。これをそのままキャラとしてプロレスに持ち込もうと思ったんです」