有田哲平が伝えるプロレスがなぜ面白いのか 1分で終わるエピソードに2時間かける熱量

有田哲平は「プロレスから全部学んだ」【写真:山口比佐夫】
有田哲平は「プロレスから全部学んだ」【写真:山口比佐夫】

有田が感じるプロレスの力

――第1回でスタイルが確立されたわけですね。

「あの回で、ああなるほどと学びがありました。わからない人に、ちゃんと順を追って説明するのはこれだけ大変ではあるけれど、全部終わって、綾部が『なるほど~! しびれますね!』みたいなことを言ってくれたときに、ここまで説明しなきゃ駄目なんだっていうことが分かった。確かに僕は今まで付き合ってきた彼女に、長州と藤波の試合をなんで何回も見てるのか、いつも説明してたんです。やっぱり結構長かったんですよね(笑)。

 だって簡単に言えないですもん。ただライバルなんだよ、じゃ面白くない。そもそもね、(長州が)雑草で、みたいなところから。だから、やっぱりあの回はすごく印象深いですね。こんなふうにちゃんと歴史をたどって話して、今の事件にこう繋がってるんだっていうことを話してあげたから、喜んでくれたのかなって。多分プロレスファンだけが5人くらいで集まって話すと、過程とかは全部すっ飛ばすんですよね。『見た?あれ』みたいな。『すごいよね』って。でもそれをしないので」

――有田さんがプロレスから学んだこと、得たことを教えてください。

「正直、僕は自分の芸能生活というか……全部ですね。僕をずっと見てくれている人がいればわかるかもしれませんが、ほとんどがプロレスなんですよ。やってることは。プロレスを見て、なんか違うなあと思うことも多々あるし、めちゃめちゃウワーってなったこともあるけど、これはお笑いをするにあたって、人を喜ばすということにも通じるのかなと。こうなってこれをやったらしらけるなとか、東京ドームでこれやってしらけてたから、俺はやるのやめようとか、反面教師も含めてですが、やっぱり人を会場に足を運ばせる、テレビの前で絶対見なきゃ駄目と思わせるには、いろんな仕掛けが必要なんですよね。

 エンターテインメントの作り方というか。(プロレスを)エンターテインメントって言うと、八百長だとかいう人がいるかもしれないけど、そうじゃない。人を楽しませるスペクタクルスポーツっていう意味で。例えばですけど、漫才というもの自体がなんだって話じゃないですか。2人が初めて話すわけじゃないし、舞台で披露する前に練習してるけど、怒ったり、ケンカしたりとかしますよね。めちゃくちゃ怒ったかと思えば、3分くらいで『どうもありがとうございました~』って。なんかすごくアバウトなものだと思うんですよね。

 お笑いとプロレスを一緒にするのは違いますが、(漫才は)アドリブじゃない、練習してきたケンカ。じゃあそこに何で笑いが生まれたのか考えると、ああ練習してるからかなとか。じゃあフリートークライブは、なんで笑いが生まれるんだろうとか……、そういうことを考えていくと、全部プロレスに定義づけられちゃう。プロレスもいまだにやっぱり謎なんです。変じゃないですか? タイトルマッチを争う、すごく勝負論がある試合があるかと思ったら、めちゃくちゃお笑いもあるし、お色気みたいのもあるし、血だらけみたいなのもある。だから、プロレスの飽くなき追求みたいなのと同じように、僕もそんな人生を送ってるような気がするんですよね。だから、(プロレスから学んだことは)もうすべてですね」

■YouTubeチャンネル『有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】』
https://bit.ly/3rGoMIo

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