有田哲平が伝えるプロレスがなぜ面白いのか 1分で終わるエピソードに2時間かける熱量

お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の有田哲平(51)が“YouTubeデビュー”を飾った『有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】』は、開設から20日間で登録者数10万人を突破。プロレスファンからの絶大な支持を集めている。2016年からAmazon Prime Videoで配信開始され、好評だったプロレスバラエティー番組「有田と週刊プロレスと」「有田プロレスインターナショナル」のスタッフとともに作り上げるYouTubeチャンネルの中でも、有田のあふれるプロレス愛が止まらないが、自身にとってプロレスとは何か――聞いた。

有田哲平にとってプロレスとは何か?【写真:山口比佐夫】
有田哲平にとってプロレスとは何か?【写真:山口比佐夫】

有田が注目するのは女子プロレス「一回見ると一気にファンになる」

 お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の有田哲平(51)が“YouTubeデビュー”を飾った『有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】』は、開設から20日間で登録者数10万人を突破。プロレスファンからの絶大な支持を集めている。2016年からAmazon Prime Videoで配信開始され、好評だったプロレスバラエティー番組「有田と週刊プロレスと」「有田プロレスインターナショナル」のスタッフとともに作り上げるYouTubeチャンネルの中でも、有田のあふれるプロレス愛が止まらないが、自身にとってプロレスとは何か――聞いた。(聞き手・角野敬介)

 ◇ ◇ ◇

――いくつもテレビのレギュラー番組を抱えている有田さん。お忙しい中でも、現在進行形であらゆるプロレス団体をチェックされているようですが……?

「別に暇というわけじゃないんですけど、今はコロナ禍ですし。元々ですけど遊びまわってるわけでもない。いつも仕事が終わって帰って、子どもを寝かした後、何もすることがなくて、1人でだいたい朝5時ぐらいまで何かしてるんですよ。この間もずっとプロレスのビデオを見たりとか、昔のビデオを見たりしているので、全然時間がないわけではないですよ。

 これはもう視聴者の皆さんも多分、お気づきだと思いますけど、僕にも好みがあります。僕は別に記者としてやってるわけではないので、見ていないものや、苦手だというものも中にはあります。基本、週プロ(週刊プロレス)とか、ネットニュースとかで追っかけたりしてプロレス全体の動きは見るようにしていますが、個人的にこの大会に足を運びたいとか、ペイ・パー・ビューを買いたいとなると相当な好みになってはいくと思うんですけどね」

――そんな中で、有田さん的に“今、これが熱い!”というものを教えて下さい。

「やっぱり絶対的に昔と段違いになってきてるのは女子プロレスじゃないですか。僕も下火だった時代をちょっと知ってるので、90年代の対抗戦ブームでアジャコングとか北斗晶の時代があって、その後でちょっと落ち込んで……。新木場(新木場 1st RING)に30人しか入っていないとか、後楽園ホールで200人とか、そんな時代を見てるからかもしれないですけど、今、全体的に女子プロレスが盛り上がってきたなっていう。もちろんスターダムとか東京女子が引っ張ってるんだとは思いますが、僕は全体的に女子は見てますよ。パワーがすごくついて、人材もその間頑張ってきた人たちや、若い人たちがどんどん上がってきている。特に女子プロレスは一回足を運んでもらうと多分一気にファンになりやすいと思うんですよね」

――“前身”とも言える「有田と週刊プロレスと」時代も含めて、あらゆる団体、あらゆる大会、あらゆる事件をテーマに話してきました。中でも特に思い出深いエピソードを教えてください。

「いやぁ……、でもやっぱり思い返してみれば、本当に僕も忘れもしませんけど、第1回目の収録のとき、いきなりこれを語ってくださいって、その場で1冊の週プロ(週刊プロレス)を渡されて。それが95年の「10.9」東京ドーム、『新日本対Uインター』で、ああこれねと。これはいい大会だったけど、第1回のゲストがピースの綾部で、『この面白さを教えるけど、どのぐらいまで見てるんだっけ』って聞いたら、『何もわかりません』って。それで『えーっ』ってなって。『何も? めんどくせー』って。だから、そもそも日本プロレスというのがあって、力道山がいて、みたいなところから説明して……。あそこから全てが始まった。

 本当に何も知らない人に、Uインターと新日本プロレスの対抗戦がいかにすごいのか。なぜ1か月くらいで東京ドームが満員になってしまったのか。ただ単に、いまだに伝説の興行と言われてるんだよ、因縁があってすごかったんだよ、って説明したら、これ1分で終わるんですよ。でも、いや違うと。本当に重みを感じてほしかった。だからこの因縁っていうのを話し始めたら、いきなり前編と後編の2本になったんだっけ? いきなりですよ。2本に分けるのはやめようっていうところからスタートしたのが、いきなり2本に分けましょうって(笑)」

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