YOSHIKIが独占告白 原因不明の腹痛と闘いながら新アルバムに全身全霊「信じてほしい」
昨年末からは原因不明の腹痛に苦悩「立てないくらい苦しくて…」
ロサンゼルスで暮らしてから、約30年がたった。CDが消費者に求められない米国の現実。考えることも多い。
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「日本のいいところ、ほかの国のいいところを常に肌で感じています。楽曲のリリースの形については、日本はCDがメインで扱われていますが、アメリカはそうではありません。ストリーミングを活用している人が圧倒的に多いし、世界を視野に入れた場合CDではないもので音楽を届けることが求められます。でも、これを実現するためには、アーティストの権利をどう守るのかなど、国によって違う規定を整えなくてはいけない」
デビュー当時は、奇抜なビジュアルで、音楽評論家からの批判が相次いだ。
「『彼らの曲は音楽じゃない』など、ボロクソに言われたこともあったけれど、少しずつファンが増えました。88年にインディーズで出したアルバム(『Vanishing Vision』)も、89年に発売したメジャーデビュー盤『BLUE BLOOD』も驚異的な枚数を売り上げ、『僕らがやっていることは間違っていない』と自信を持つことができました。建設的な批判は受け止めます。僕が今、成し遂げようとしていることは、日本の音楽シーンを刺激するようなものにもなると思います。アーティストの意識改革をすることになるかもしれません。どういう形で音楽をリリースすることが、今後のエンターテインメント業界にとって得策なのか。変えていくきっかけになればいい。恐竜のように、音楽業界が滅びてはいけないと危機を持っています」
実父やメンバーの死など、YOSHIKIはたくさんの思いを背負って生きてきた。
「痛いことつらいこと、『もうダメだ』と思ったときもありましたが、音楽が生きる意味をくれました。痛みを音楽の中に昇華しながら、生き続けることができた。痛みからは逃げることができない。『だから一緒に生きていくしかないんだ』って、意識を変えることができたのも音楽があったからです。もう少しうまく生きられたらと思いますが、できなくて……」
インタビュー中、YOSHIKIは何度も「信じてほしい」と言った。その思いは揺るがないが、自分を過度に追い込んでいるように感じられた。昨年末からは、原因不明の腹痛に悩まされているという。
「立てないくらい苦しくて、全身を精密検査しましたが、原因が分かっていません。先生からは『ストレスだろう』と言われています。アメリカを出発する直前にも病院に行きました。でも、どんなに厳しいことを言われても、僕が僕として生きていくために音楽に全てを投じていきたいという気持ちは変わらない。これを辞めるときは死ぬときだと覚悟しています」
揺るぎないマインド。音楽に全身全霊をかけ、新アルバム発表の時をはかる。
□YOSHIKI(ヨシキ) リーダーを務めるロックバンド・X JAPANのドラマー、ピアニストとして、1989年にメジャーデビュー。2014年にはロックの殿堂「マディソン・スクエア・ガーデン」での公演を成功させた。17年1月には、ニューヨークのカーネギーホールでコンサートを開催。同年3月の英ウェンブリー・アリーナ公演と合わせ、アジア人として初めて音楽世界3大殿堂のステージに立った。音楽活動以外にも、自身が立ち上げた着物ブランド「YOSHIKIMONO」のデザイナーを務めている。ほか、10年に設立した慈善団体「YOSHIKI FOUNDATION AMERICA」を通じ、東日本大震災や熊本地震などの被災者を支援。21年には国や地方公共団体、公益団体などに寄付した人を国が顕彰する紺綬褒章を受章した。
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