【カムカムエヴリバディ】上白石萌音が朝ドラの現場に復帰 ようやくかなった“伏線回収”の舞台裏

3人集合の場面は「貴重な1日でした。いい時間でした」

 安達氏は上白石の再登場に「藤本さんの構想。クランクアップの数日前に撮らせてもらいました」と明かした。また、「I love you」には「この『I love you』のために、安子編で『I hate you』と言わせたと思うくらい迷いなく書いてくださったせりふ。るいが言ってくれることをみんなが望んでいた、待ち焦がれたいたせりふ。大事なせりふと思って撮りました」。

 上白石は1度クランクアップしたが、このインサート映像のために再び朝ドラの現場に復帰したという。

 安達氏は「上白石さんは現場に入った瞬間に涙ぐむくらい喜んで帰ってきてくれました。同じ安子をそのまま演じるのですが、半年以上たってから安子として帰ってきて、安子になりきれているか不安だったようですが、完璧に安子だったので『完璧です』と言ったら、とても安心していました。撮り終わり、本当のオールアップとなったとき、深津さんと川栄さんも現場に来てくださいました。3人ようやくそろうことができる貴重な1日でした。いい時間でした」と語った。

 堀之内氏は「作り手の1人として、物語上絶対に必要なことだったとはいえ、上白石萌音さん演じる安子の物語を非常に悲しい結末で終わらせてしまったということに、個人的に申し訳ないという思いを抱いていました。上白石さんがあの場面を演じるのを目にして、自分としても救われた思いがありました。森山良子さんのアニーではなく、“上白石萌音・安子”があそこでるいともう1度抱き合えたことで、欠けていたピースというか、埋めて欲しかった穴が埋まった感覚で、胸がいっぱいになりました。編集でつながったものを見たとき、なぜだか、『ありがとう』という感謝の気持ちがこみあげてきたのが忘れられません」と語った。

“上白石萌音・安子”と幼いるいの別れたシーンは雨だった。今回の「I love you」のシーンは、背景に日が差していた。安達氏のアイデアという。この作品は、あのときのシーンが今のこのシーンに生きていると驚かされることがしばしばあった。起伏の激しい展開もあって、いろんな意味で多くの人の関心を集めた。作り手たち自身も「すごい作品」と感じたに違いない。それがエネルギーになり、みんなが、よりいい物を作ろうと思って挑んだ作品に思える。

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