ウクライナ「反戦デモ」写真展 写真家が異例の修正前カット公開「彼女たちの思い伝えたかった」
「彼女たちは自分の意志を伝えたかったのに反故された」
1人だけ、穏やかな顔をしている女性も。「『穏やかな顔でいいんですか』と声をかけたら、『いや、私は感謝なんです』と言われました。ボードを見ると日本語で、『協力やサポートをしてくれてありがとうございます』と書いてあった。(デモというテーマで)そういう気持ちもあるんだなと思いましたね」
戦火に置かれた母国を心配しながら、日本で今できる精一杯の表現をしようとしたウクライナ人の気持ちに応える術はないか。宮本さんはツイッターにアカウントを開き、そこで修正前のオリジナルの写真を掲載した。
「彼女たちは自分の意志を伝えたかったのに反故された。オリジナルを出さなきゃいけないと思いました」
意に沿う形の展示はできなかったが、声を上げて協力してくれたウクライナの人々に注目が集まってほしいと願っている。写真展は10日まで。
□宮本直孝(みやもと・なおたか)1961年4月5日、静岡・浜松市出身。早稲田大学中退後、イタリアへ留学。これまでロンドンパラリンピックや難民などのテーマのほか、新型コロナウイルス流行の2020年には医師や看護師などの医療従事者を被写体にした写真展を開催した。
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