「ドライブ・マイ・カー」アカデミー賞2冠なるか 国際長編映画賞は確実 脚色賞も
第94回アカデミー賞の授賞式が3月28日午前(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門でノミネートになっており、受賞に期待がかかる。賞の行方を予想してみた。後編は国際長編映画賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞。
オスカー予想・後編 国際長編映画賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞の行方
第94回アカデミー賞の授賞式が3月28日午前(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門でノミネートになっており、受賞に期待がかかる。賞の行方を予想してみた。後編は国際長編映画賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞。(文=平辻哲也)
※◎が本命、〇が対抗、△が穴
【国際長編映画賞】
◎ドライブ・マイ・カー(日本)
Flee(デンマーク)
The Hand of God(イタリア)
ブータン 山の教室(ブータン)
The Worst Person in the World(ノルウェー)
「ドライブ・マイ・カー」が確実。計4部門に候補になった作品は唯一。ちなみに、日本で観られるのは「ブータン 山の教室」と「The Hand of God」。「ブータン 山の教室」は都会志向の青年教師が、山深い村で子供たちとのふれあいを通じ、人生を見つめ直す感動作。「The Hand of God」(Netflixで配信中)は「グレート・ビューティー 追憶のローマ」のパオロ・ソレンティーノ監督の自伝的映画。1980年代、伝説のサッカー選手ディエゴ・マラドーナがやってきたナポリを舞台に、少年が家族に起こった悲劇を乗り越えて、映画監督を志す姿を描く。題名は86年、W杯メキシコ大会準々決勝のイングランド戦で見せた「神の手」ゴールが由来。
【脚色賞】
◎コーダ あいのうた(シアン・ヘダー)
○ドライブ・マイ・カー(濱口竜介、大江崇允)
DUNE/デューン 砂の惑星(ドゥニ・ヴィルヌーヴ他)
ロスト・ドーター(マギー・ジレンホール)
△パワー・オブ・ザ・ドッグ(ジェーン・カンピオン)
強豪ひしめくが、「ドライブ・マイ・カー」の受賞の可能性は高い。村上春樹の小説は米国でも読者は多く、原作との違いがより明確。複数の原作短編のエッセンスを一つに束ねて、再構築。映画内演劇を多言語、多国籍の俳優で見せるなど独自の語り口がある。カンヌ国際映画祭で日本映画初の脚本賞を受賞したこともアカデミー会員の頭にあるはず。最大のライバルは全米脚本家組合賞 脚色賞、英アカデミー賞脚色賞を受賞した「コーダ あいのうた」だ。「パワー・オブ・ザ・ドッグ」は脚色賞での受賞実績は多くない。5人中3人が女性作家というのも注目ポイント。