“日本のビートルズ”は「早すぎた名バンド」 作曲家が挙げた3組の名前とその魅力

令和のビートルズは「King Gnu」? ワールドワイドな活躍にも期待

 では「日本のビートルズの条件」を令和のバンドに当てはめてみると、例えば「King Gnu」はどうだろう。常田大希と井口理という2つの声を持った当代随一の名バンド。筆者のような昭和生まれ世代にも「Teenager Forever」の切ない激しさや「白日」の時代を越えた美しさは胸に迫る。名実ともに令和を代表するバンドとなった彼らに、ビートルズのようなワールドワイドな活躍をも夢見てしまうのは筆者だけではないはずだ。

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 こうして見ると、J-POPの世界でも、いくつものバンドがビートルズのように、メンバー同士、切磋琢磨(せっさたくま)を重ねてきた。バンド内に強力なライバルがいたことが、ビートルズの、そしてここに挙げたバンドたちのサウンドがいつまでも新鮮である理由だ、と筆者は考える。

 ジョン・レノンの太いシャウトに酔いしれ、ポール・マッカートニーの甘い声に身をゆだねよう。ジョージ・ハリスンの気の利いたフレーズにうなり、リンゴ・スターのビートで夢を見る。そんな多様な個性が絶妙に混ざり合って、解散から50年たっても色あせない「普遍性」をビートルズは獲得したのだ。

□成瀬英樹(なるせ・ひでき)作詞・作曲家。1968年、兵庫県出身。92年、4人組バンド「FOUR TRIPS」結成。97年、TBS系ドラマ「友達の恋人」(瀬戸朝香・桜井幸子主演)の主題歌「WONDER」でデビュー。2006年、AAA「Shalala キボウの歌」で作曲家デビュー。AKB48提供「BINGO!」「ひこうき雲」、前田敦子「君は僕だ」「タイムマシンなんていらない」などがトップ5ヒット。16年、AKB48のシングル「君はメロディー」でオリコン年間チャート2位を記録するミリオンセラーを達成。21年、乃木坂46「全部 夢のまま」を作曲。

次のページへ (4/4) 【動画】“you-me”成瀬英樹が“令和のビートルズ”にプッシュ…3億超の再生数を誇る「King Gnu」の白日
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