元会社員がついに夢のガレージを完成 DIYで4年「長年の夢がやっとかなった」 家族も説得

居並ぶ愛車を前に笑顔を見せる須山さん【写真:山口比佐夫】
居並ぶ愛車を前に笑顔を見せる須山さん【写真:山口比佐夫】

家族の反応は…「これ車庫じゃないよね?」

 手作りならではの喜びは何ものにも代えがたいものだ。ほかにも複数の車を保有する須山さん。ガレージに入れる車の基準はあるのだろうか。「もちろん美しいスタイルを持つスーパーカーです!まあ日々の移動の足としては使わない車ですね…出入りが頻繁なのは大変ですから(笑)」。実は新車もガレージの雰囲気に合わせて購入していた。「車の色を決めるときも、この景色をイメージして車の色を決めていました。特に新しい青いDBSや、シグネットもそうですね」。ガレージ全体の色合いにも気を配り、大切にしたのは黄色だったという。「例えば赤いスーパーカーばかりが集まっても、意外なことにそんなに華やかじゃないんですよ。黄色がないとダメなんです。スーパーセブンのセンターに黄色いラインが入っていたり、Agipの看板が黄色だったり、黄色が差し色になっています」と、工夫をこらしている。

 車を格納するだけの車庫ではなく、視覚で楽しめ、訪れた人との会話も弾む生きたガレージとなった。

「新しい車庫のテーマはくつろぎ…車を見て愛でるというか、友達と一緒に車話をするみたいなところが欲しかったんです」と須山さん。どれだけ日数がかかっても、愛車たちの理想の住み家を追い求めた。「愛車たちを“何とかちゃん“とか名前を付けてはあまり呼ばないんですけど、車は自分の生きがい、自分の分身みたいなものですから、人生において無くてはならないものです」と愛情たっぷりに語った。

 気になる家族の反応は「車庫だって言って説得したので、これ車庫じゃないよね?と言われましたね。きれいすぎて」。車への興味の有無にかかわらず、手作りの車庫という概念を覆したことは間違いない。

「もちろんこのDIYのガレージは、自分にとって最高の場所です。長年の夢がやっとかなったという気持ちです。30年前にボロボロのフェラーリ・ディーノを約5年半かけてレストアして、今回は約4年かけてガレージを作ることができた。やっぱり車好きには愛車をどんな器に入れるのか?というのもとても大事なテーマ。タワーパーキングに停めている場合はバッテリーの充電問題も含めて、ご苦労があると思います。やっぱり車好きは地面が欲しい、見て楽しめる空間が欲しい。しかも1台で済まないですから何台か平置きできるところ、できれば愛車とともに過ごせる心地よいガレージが持てれば…というのはあります」。須山さんは実感を込めて結んだ。

□須山泰宏(すやま・やすひろ) 1964年4月4日、神奈川県生まれ。87年、青山学院大学・理工学部電気電子工学科を卒業し、電機メーカー「カシオ計算機」就職。SEとして業務アプリケーション開発やエンジニア向けの教育を約15年間担当。38歳の頃、退社し独立。不動産投資・管理会社を経営しながら、2015年に「全日本スーパーカー連絡会」を立ち上げ、17年に「一般社団法人 日本スーパーカー協会」として法人化し代表理事を務める。11月1日をスーパーカーの日と制定し、お台場で毎年秋にアジア最大級のスーパーカーイベント「TOKYO SUPERCAR DAY」を主催。08年設立のスーパーカー・オーナーズクラブ「SuperCar Club Japan」の代表も務める。

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