44歳・ガリットチュウ福島が“柔術”を通して証明したいもの 同世代に見せる生きざま

お笑いコンビ「ガリットチュウ」の福島善成が2月26日、「全日本マスター柔術選手権」の「青帯ライト級」で優勝の栄誉を手にした。柔術への挑戦を始めてから、わずか1年足らずでつかみ取った快挙の余韻に浸るまもなく、次なる目標の“世界”を口にした。

「ガリットチュウ」の福島善成が柔術への挑戦について口を開いた【写真:ENCOUNT編集部】
「ガリットチュウ」の福島善成が柔術への挑戦について口を開いた【写真:ENCOUNT編集部】

「初出場で初優勝はマストだったんです」

 お笑いコンビ「ガリットチュウ」の福島善成が2月26日、「全日本マスター柔術選手権」の「青帯ライト級」で優勝の栄誉を手にした。柔術への挑戦を始めてから、わずか1年足らずでつかみ取った快挙の余韻に浸るまもなく、次なる目標の“世界”を口にした。(取材・文=島田将斗)

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 興奮することもなく冷静だ。福島は「正直、9月のラスベガスで世界一になるのが目標だったので、ここで優勝しないと話にならない」と次なる野望に目を光らせる。続けて、「世間体的に『なんで日本代表ぶっているんだ』ってなるのは嫌。初出場で初優勝はマストだったんです」と通過点に過ぎなかったことを明かした。

 2月に行われた大会では、優勝までに4試合を経験。初出場の緊張は大きかった。

「初めての試合で力が入っていて、途中2分ぐらいで腕が上がらなかった。コンバッチ(試合開始の合図)と言われたら、始まるなどの試合のルーティンを聞いていたんです。でも、実際は違った。それでテンパって、相手に懐に入られて……」と思わず苦笑いを浮かべた。

 マット上のチェスとも言われる柔術で焦りは禁物。「普通だったら極められる場所も2か所ぐらいあったんですけれど、それもできなくて。横四方固めでポイントを取って勝ちました」と悔しさもあらわにした。

 1試合目終了後、歩くたびに筋肉痛のような感覚に陥るほどの疲労感だった。しかし、そんな満身創痍(そうい)の福島を突き動かしたのは、妻からの言葉だった。「朝、出発するときに、俺のことに無頓着な嫁に『あんた毎日家族ないがしろにして、優勝してくるんでしょうね』と言われて。これで2回戦で負けたら恥ずかしいなって。今まで練習してきた人のためにも絶対勝たなきゃなってスイッチを入れました」と振り返った。

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