バラエティーで活躍中のROLANDやフワちゃん、国民的アイドルグループ出身の高橋みなみや飯窪春菜、音楽界からはファンキー加藤、黒沢薫（ゴスペラーズ）、セントチヒロ・チッチ（BiSH）、LITTLE（KICK THE CAN CREW）、ナヲとダイスケはん（マキシマム ザ ホルモン）、ATSUSHI（ニューロティカ）、エマとアニー（THE YELLOW MONKEY）、北山たけし、大原がおり（がおりに改名）、そしてプロレスラーの高橋ヒロムなど――。一見、つながりがなさそうな顔ぶれだが、実は全員、東京・八王子市にゆかりのある人物だ。その中心にいるのが、2020年3月に結成された「八王子会」の会長を務めるヒロミさん。今年2月には2時間特番「ヒロミの八王子会SP 豪華メンバー大集合！」（BS日テレ）が放送されるなど、会の勢いはとどまるところを知らない。かねてから八王子出身であることを公言し、八王子をうたったブランドも展開しているヒロミさんに、地元への思いと八王子会のこと、そしてこのたびCD化された「八王子のうた」の制作経緯を語ってもらった。（取材・文＝濱口英樹）

　八王子って昔から「織物のまち」と呼ばれていて、僕らが子どもの頃は友達のなかに織物をしている家もあったんです。養蚕も盛んだったから、（蚕の餌になる）桑の実を食べると大人から怒られてね（笑）。ちなみにうちの実家は工務店。自分では特段器用だとは思わないですけど、趣味で部屋や家具のリフォームをしているのは、大工だった親父の後ろ姿を見て、昔から自分でいろんな作業をしていたからでしょう。

　僕が今やっているオンラインショップの名前は「ハチオウジ工務店」っていうんです。そこで展開しているブランドの一つが「八王子リホーム」。以前からことあるごとに八王子に乗っかってきたので、「勝手にやるなよ」って、いつかは怒られるんじゃないかと思っていたんだけど、地元の人たちは意外と喜んでくれています。

「八王子会」はたまたま八王子出身の人たちとご飯を食べたことがネットニュースになって拡散して。今年はそれがBSの特番にもなったので、地元のお勧めスポットをファンキー加藤やROLANDと回って紹介しました。最近は地元の商店街でもシャッターを下ろしているお店が多いから、メンバーと一緒に八王子の魅力を発信することで、多少なりとも街の活性化につながればうれしいよね。僕らにはそれくらいのことしかできないので。

　八王子にゆかりのある有名人といえば、やっぱり北島（三郎）さんとユーミンでしょう。若い頃からその2人が心の支えでした（笑）。でも、あるとき八王子出身の芸能人が多いことに気づいて、妹の同級生でもあるアンジャッシュの児嶋（一哉）に「『みんなでごはんでも食べませんか？　ってヒロミが言ってます』と連絡してみろよ」って言ったの。そうしたら「え～」って、すげえ面倒くさそうな反応だったから、「じゃあ、いいよ」と。それでアンジャッシュは八王子会に入れないことにしたんです（笑）。

　その八王子会、最初の食事会はおととしの3月にやりました。連絡がつく人が来てくれたんだけど、初めて会う人も多くてね。同じ芸能界といっても、ミュージシャンや役者さんとは一緒に仕事をする機会がなかなかないじゃないですか。でもいざ集まったら、地元の話でめちゃめちゃ盛り上がったんですよ。それ以来、LINEグループで連絡を取り合うようになって、今は24～25人くらいいるのかな。実は上川（隆也）くんや西島（秀俊）くんも八王子出身で「タイミングが合えばぜひ」と言ってくれているんですけど、残念ながら2人はLINEをやってない（苦笑）。だから電話で連絡するようにしています。

　西島くんはスケジュールが合わなくて先日の八王子会には来られなかったんですが、BSの特番は見てくれたみたいでね。この間、会ったとき、「ヒロミさん、つるや製菓の都まんじゅうは昔からあの大きさですよ」って言うわけ。特番内のスポット巡りで都まんじゅうを食べたとき、僕は「子どものときはもっと大きかったような気がする」って言ったんだけど、どうやらそれは自分が大きくなったから、そう見えただけだったみたいで。