人気ロマンスカー「VSE」が定期運行終了 小田急新宿駅は“VSE祭り”状態に

小田急電鉄の特急ロマンスカー「VSE」(50000形)が11日、通常ダイヤでの定期運行を終えた。新宿駅午後9時20分発の最終列車には大勢の鉄道ファンが集結。思い思いのメッセージを胸に別れを惜しんだ。今後はイベント列車などで使われ、2023年秋頃に引退を予定している。

定期運行を終えたVSE。停車中の車体に鉄道ファンがカメラを向けた【写真:ENCOUNT編集部】
定期運行を終えたVSE。停車中の車体に鉄道ファンがカメラを向けた【写真:ENCOUNT編集部】

約2000万人の乗客が利用 斬新だった白い車体

 小田急電鉄の特急ロマンスカー「VSE」(50000形)が11日、通常ダイヤでの定期運行を終えた。新宿駅午後9時20分発の最終列車には大勢の鉄道ファンが集結。思い思いのメッセージを胸に別れを惜しんだ。今後はイベント列車などで使われ、2023年秋頃に引退を予定している。

 VSEは2005年3月に箱根観光専用特急として就役。約17年にわたり、2編成で延べ600万キロ超を走行し、約2000万人の乗客が利用した。従来車両と一線を画す白くスタイリッシュな車体、大きな窓の展望席、ドーム型の天井が特徴で多くの乗客を魅了した。

 定期運行の終了・引退が発表されると、車両への感謝や運行終了を惜しむ声があちこちで上がった。VSEの車内には歴代運転士や乗務員の寄せ書きが飾られ、話題になった。

「VSEの運転士になりたくて小田急に入社しました」「VSE担当として様々な挑戦をし、成長しました」「運転士としても普段の利用でも連接台車と車体傾斜装置の採用による乗り心地の良さは格別でした」「初めてVSEに乗務したときの感動、喜びは今でも忘れません」「VSEの運転席は、まさに『コックピット』です。飛行機のパイロットに憧れていた私の夢を叶えてくれました。ありがとう!」「そんな車両を運転できたことは私の誇りです」……。

 感激した乗客が「VSEの車内カウンターで見た、このメッセージに涙腺が崩壊してる・・・」 「乗務員さんたちの愛に溢れたメッセージ、3号車と8号車のカウンターブース下にあります。ぜひ皆さんに読んでほしいです!泣いちゃいます」とSNS上に投稿するなど、多くの人々の心を打った。

 そして迎えたラストランの当日、小田急新宿駅はVSEの送別ムード一色となった。

次のページへ (2/4) 17年間の歴史に終止符 最後の乗客を藤沢へ
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