花粉症とも闘う全日本の“進撃の大巨人” 思い出す昭和の時代を彩った外国人レスラー
マットの上に残されていた丸くて小さな白い謎のブツとは…
今も昔も花粉症と闘っている者は多い。試合数が多かった時代には、気候がだんだん良くなる春先から初夏にかけて、大会が目白押しだった。地方サーキットに出れば自然も多く、花粉を吸い込む機会も増える。
症状を緩和する薬などもあまりなく、ただただ耐えるのみ。花粉症が認知されていないのだから、クシャミでもしようものなら「何だ。風邪か。情けない奴だ」などと叱られてしまう。となれば、クシャミが出そうになってもグッと堪えて飲み込むしかない。目がかゆくてもこすれない。「何だ。眠いのか。たるんでいるぞ」と怒られてしまうからだ。
クシャミと目のかゆみは、それでも何とか我慢できる。だが、鼻水を我慢するのは至難の業だ。試合中に鼻がたれて来ても鼻をかめない。第一、格好悪い。苦肉の策で、こっそりティッシュを小さくまるめて鼻の奥に詰め、試合をする選手もいた。だが夢中で闘っているうちに、気がついたら抜け落ちていることもしばしば。
試合後、マットの上に丸くて小さな白い謎のブツが2つ、ちょこんと鎮座している謎の光景を、何度も目撃した。最初は何だかわからなかったが、自分が花粉症になると合点がいった。
今では効果的な治療法もたくさんあるので、謎のブツがリングに残されることはない。もはや見られなくなったリング上の不思議な光景……。花粉症の季節が来る度に思い出してしまう。
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【写真】リング上でド迫力をみせる“進撃の大巨人”石川修司